[G03-08] 初めてのフィールド調査の場として上総層群
キーワード:初フィールド調査の場、上総層群、砂泥互層の定義、下部-中部更新統境界、教えない教育
筆者は指導教官からただ一言「歩け」とだけ言われて初めてのフィールドワークを行ったのが卒業研究であったが,既往文献を全く読まずにひたすら歩きまくって何が分かるかと言う非常に危険な事を始めた.そして2ヶ月かかったが自分の感覚から砂泥互層を定量化した理を作り出して上総層群国本層を以下の通りに再定義した.上総層群国本層は層相から4区分でき,上位より最上部層(砂勝ち砂泥互層),上部層(塊状泥層),中部層(砂勝ち砂泥互層),下部層(塊状泥層)となっている.ブリュンヌ正磁極期と松山逆磁極期の境界付近に下部-中部更新統境界が設定され,本境界がByk-zone中に引かれる.本調査において,Byk-zoneの分布が君津市怒田から古敷谷川(古敷谷)まで確認された.ただし,初夏から秋にかけての本調査地周辺地域は,小一時間の踏査で数十匹のヤマビルに集られて血だらけになるため推奨しない.本方法は効率が決して良くはない.しかし,国内外でも高名な地質学者から笑いながら「君はいい教育を受けたね」と賞賛された.