JpGU-AGU Joint Meeting 2020

講演情報

[J] 口頭発表

セッション記号 H (地球人間圏科学) » H-CG 地球人間圏科学複合領域・一般

[H-CG28] 原子力と地球惑星科学

コンビーナ:笹尾 英嗣(国立研究開発法人日本原子力研究開発機構 東濃地科学センター)、幡谷 竜太(一般財団法人 電力中央研究所)、竹内 真司(日本大学文理学部地球科学科)

[HCG28-03] 亀裂・岩石基質部の透水性を考慮した水理試験データの分割による広域地下水理モデルの構築

*久保 大樹1柏谷 公希1小池 克明1 (1.京都大学大学院工学研究科)

キーワード:亀裂構造、地下水流動系、マトリクスフロー、浸透率

高レベル放射性廃棄物の地層処分施設の安全性確保のためには建設地周辺の地下水流動形態の把握が重要であり,広域地下水理モデルの構築が必須となる。地下水理モデルには実測値として主にボーリング孔を利用した水理試験結果などが用いられる。水理試験データは数mから数十m程度のスパンで行われているため,モデルの高解像度化のためにはこれらを分割して使用する必要がある。しかし,通常試験区間内には亀裂部や健岩部など透水性の異なる地質要素が混在しており,単純に区間を分割するのみでは過小・過大評価を引き起こす可能性がある。そこで本研究では,瑞浪超深地層研究所で取得された検層データの統計分析やサンプルを用いた実測結果(Kubo et al., 2019)の統合的な解析により亀裂部と岩石基質部の透水性を別個に評価することで,水理試験データの細分化を試みた。さらにこれに基づいた広域地下水理モデルの構築についても議論を行う。

Kubo, T., Matsuda, N., Kashiwaya, K., Koike, K., Ishibashi, M., Tsuruta, T., Matsuoka, T., Sasao, E., Lanyon, G.W., 2019. Characterizing the permeability of drillhole core samples of Toki granite, Central Japan to identify factors influencing rock-matrix permeability. Eng. Geol. 259, 105163. https://doi.org/10.1016/J.ENGGEO.2019.105163