[HCG35-P04] Bacillus 属細菌に着目した有機性排水処理法の有用性
キーワード:汚水処理、Bacillus、閉鎖生態系
効率的な水循環システムの構築は、閉鎖環境中での人間の生活において重要な課題の一つである。生活排水等に含まれる有機物を処理するための主な処理法として活性汚泥法がある。我々は活性汚泥中の Bacillus 属細菌の働きに着目した廃水処理システムを検討してきた。この浄化処理法は従来の活性汚泥法よりも処理効率が高く、余剰汚泥の量も減少させることができた。省エネで廃棄物も少ないシステムは閉鎖系での利用に適している。本研究では、Bacillus 属細菌が多く存在すると考えられる活性汚泥中の微生物の有機物分解活性および抗菌活性を1ヶ月毎に調査し、本処理法および処理水の有用性について検討した。
Bacillus 属細菌を多く含むと考えられる活性汚泥中から NB 培地で単離した微生物株を用いて、アミラーゼ活性、プロテアーゼ活性、リパーゼ活性、およびセルラーゼ活性などの各種有機物分解活性を測定した。これらの活性を、本学キャンパス内の浄化槽の活性汚泥から単離した微生物株を対照として比較した結果、総じて Bacillus 属高含有活性汚泥の方が、有機物分解活性をもつ株を多く含んでいることがわかった。また、Bacillus 属高含有活性汚泥から単離した微生物株のいくつかでは、Gibberella fujikuroi などの植物病原菌やStaphylococcus aureus などの食中毒原因菌に対する抗菌活性が見られた。
以上のことから、本活性汚泥による排水処理システムは、少ない汚泥量でも有機物分解活性を高く維持することができ、また、浄化処理水は農作物の栽培用水や中水としての利用において有用性をもつと考えられる。これらの特徴は閉鎖生態系内での水循環システムとしても有用である。
Bacillus 属細菌を多く含むと考えられる活性汚泥中から NB 培地で単離した微生物株を用いて、アミラーゼ活性、プロテアーゼ活性、リパーゼ活性、およびセルラーゼ活性などの各種有機物分解活性を測定した。これらの活性を、本学キャンパス内の浄化槽の活性汚泥から単離した微生物株を対照として比較した結果、総じて Bacillus 属高含有活性汚泥の方が、有機物分解活性をもつ株を多く含んでいることがわかった。また、Bacillus 属高含有活性汚泥から単離した微生物株のいくつかでは、Gibberella fujikuroi などの植物病原菌やStaphylococcus aureus などの食中毒原因菌に対する抗菌活性が見られた。
以上のことから、本活性汚泥による排水処理システムは、少ない汚泥量でも有機物分解活性を高く維持することができ、また、浄化処理水は農作物の栽培用水や中水としての利用において有用性をもつと考えられる。これらの特徴は閉鎖生態系内での水循環システムとしても有用である。