JpGU-AGU Joint Meeting 2020

講演情報

[J] 口頭発表

セッション記号 H (地球人間圏科学) » H-GG 地理学

[H-GG01] 自然資源・環境の利用・変化・管理:社会科学と地球科学の接点

コンビーナ:佐々木 達(宮城教育大学)、上田 元(一橋大学・大学院社会学研究科)、古市 剛久(宮城教育大学)、大月 義徳(東北大学大学院理学研究科地学専攻環境地理学講座)

[HGG01-03] 中部山岳国立公園上高地における自然公園管理の現状

*目代 邦康1 (1.東北学院大学)

キーワード:国立公園、自然保護、砂防

上高地は,日本有数の山岳自然公園であり,中部山岳国立公園の特別保護地区であり,国の特別名称,特別天然記念物でもある.また,1975年よりマイカー規制が行われるなど,精力的に自然保護の取り組みが行われてきた場所でもある.しかし,現在,梓川の河道では大規模な地形改変が進んでいる.環境省が定めている中部山岳国立公園の管理計画書において,上高地における目標は,「雄大な山々、池沼及び河川の景観(中略)を適正に保全し,人間と自然の共存できる環境」をつくるとしている.その上で,自然環境に影響を与える要因として,登山道の浸食(計画書のまま),外来生物の侵入,鳥獣被害の3点を挙げている.しかしながら,既に上高地自然史研究会などの研究で明らかにされているように,この地域の自然環境に影響を与えているのは,これまで行われてきた梓川の河道の固定や治山工事である.こうした科学的知見は公開されているものの,公園管理に活用されてはいない.公園利用施設の存在が砂防,治山工事の原因となっているため,上高地における公園利用施設の配置は再考すべきであるが,そうした議論を可能とする場は存在しない.