JpGU-AGU Joint Meeting 2020

講演情報

[E] ポスター発表

セッション記号 M (領域外・複数領域) » M-IS ジョイント

[M-IS08] 古気候・古海洋変動

コンビーナ:岡崎 裕典(九州大学大学院理学研究院地球惑星科学部門)、Benoit Thibodeau(University of Hong Kong)、山本 彬友(国立研究開発法人 海洋研究開発機構)、長谷川 精(高知大学理工学部)

[MIS08-P14] IODP Exp. 382 Site U1536およびSite U1538の珪藻化石記録(速報)

*加藤 悠爾1Weber Michael E.2Raymo Maureen E.3Williams Trevor4The IODP Expedition 382 Scientists - (1.高知大学 海洋コア総合研究センター、2.University of Bonn, Germany、3.Lamont-Doherty Earth Observatory of Columbia University, USA、4.International Ocean Discovery Program, Texas A&M University, College Station, USA)

キーワード:珪藻、南大洋、古環境、国際深海科学掘削計画

南大洋は全球規模の気候変動を駆動する重要な海域であり,南大洋の古環境復元は古海洋学における大きなテーマのひとつとなっている.その中でも,南大洋で多産する珪藻化石は,古海洋環境復元において特に重要な手がかりとなることが知られている.

筆者が参加した国際深海科学掘削計画第382次研究航海(International Ocean Discovery Program Expedition 382, 2019年3月〜5月)では,南大洋大西洋区のスコシア海において更新世から鮮新世をカバーする高解像度の堆積物コア試料が複数地点で得られている.このうちSite U1536(南緯59.44度,西経41.06度,水深3220 m,ドーブ海盆)およびSite U1538(南緯57.44度,西経43.36度,水深3131 m,ピリー海盆)は,それぞれ現在の冬季海氷縁の南北に位置しており,海氷分布や海水温の変遷が詳細に復元可能であることが期待される.本発表では,これら2地点の堆積物試料を用いた予察的な分析により明らかになった過去約50万年間に相当する珪藻化石群集の変遷を紹介し,その古海洋学的・生層序学意義について議論する.