JpGU-AGU Joint Meeting 2020

講演情報

[J] 口頭発表

セッション記号 O (パブリック) » パブリック

[O-02] 変化する気候下での強風災害にどう取り組むか

コンビーナ:松本 淳(首都大学東京大学院都市環境科学研究科地理環境学域)、高橋 幸弘(北海道大学・大学院理学院・宇宙理学専攻)、和田 章(東京工業大学)、座長:和田 章(東京工業大学)

[O02-07] 近年の強風災害とその軽減対策

★招待講演

*田村 幸雄1 (1.重慶大学)

キーワード:台風、竜巻、外装材、耐風性能、実大ストームシミュレータ

風圧力は建物等の表面から作用するため、風による被害の大半は、建物を被覆している外装仕上材やそれを支える2次部材である。壁面のガラス窓や屋根軒先の破損により、風が室内や屋根裏に突入し、壁面や屋根全体の大被害に発展することもある。建物の耐風設計では、主要な柱や梁などの構造骨組の設計はもとより、「外装仕上材の耐風設計」が肝要なのである。

 破損した金属屋根や瓦、壁面の部分、看板などの建物付属物、ベランダ等に置いた設置物などは、風に載って飛散し、風下側の建物などに衝突して被害を連鎖させる。飛散物の速さは最終的には風速と同程度となるが、空気の質量は水のほぼ1000分の1程度であり、水と同程度の質量の飛散物が同じ速さでやってきたとすると、容易に想像つくであろうが、その衝撃力は風圧力よりも遙かに大きい。したがって、例えば濡れタオルが飛んできて住宅のガラス窓に当たった程度でも、簡単に割れてしまう。飛散物による「被害の連鎖」は風被害の特徴である。

 台風や竜巻などの強風時は夥しい飛散物が飛び交う状況にあり、この状況の中で人命や建物を守る算段をしなければならない。「耐風圧性能」だけでなく「耐飛散物性能」が要求され、両者が完備してはじめて「耐風性能」の優れた建物となる。

 日本家屋に従来からあった雨戸は、防犯やプライバシーの保護だけでなく、飛散物に対する耐衝撃性が高く、耐風性能向上に大きき寄与してきた。最近はアルミサッシュの普及、出窓などの出現に伴って、雨戸のある住宅が激減しているが、少なくともシャッターの設置は望まれるところである。やや高価にはなるが、フィルム入りガラスの使用なども極めて有効である。近くに居る人命の保護の点では、カーテンを閉じておくことも有効である。

 講演では、以上のことを含んで、建物等の台風による被害例、竜巻等の突風による被害例、建物の耐風性能向上対策、社会インフラの耐風性能向上の必要性、実大ストームシミュレータの必要性などについて述べる。