[PEM12-P37] Numerical study of the internal mesh structure for ion drift velocity analyzer on sounding rocket
高度約80 km以上の超高層大気領域では、大気粒子の一部が太陽光によって電離され、中性大気とプラズマが共存している。中性大気-電離大気間の運動量交換は電離圏ダイナモや電離圏プラズマ密度擾乱などの現象を解明する上で重要なプロセスであるが、鍵となるパラメータを同時かつ直接観測した報告例は極めて少ない。特にこのプロセスが重要な役割を果たす電離圏下部は衛星が長時間飛翔できない高度であるため、観測データが限られている。電離圏における中性大気とプラズマの相互作用の理解へ向けて、イオンのドリフト速度を良い精度で観測可能な測定器を開発する必要がある。
我々は、電離圏プラズマ観測のための観測ロケット搭載用イオンドリフト速度測定器の開発を進めている。測定器は、電離圏イオン観測用として用いられてきたRPA (Retarding Potential Analyzer)とIDM (Ion Drift Meter) を組み合わせた構成になっている。RPAでは金属メッシュに電圧を印加することによりイオンのエネルギー分析を行うことが可能で、ドリフト速度の法線方向成分、また条件が揃えばイオン密度や温度が推定できる。
開発中の測定器においてRPA部は6枚のメッシュグリッドにより構成される。メッシュグリッドにかけた電圧によりイオンは加速あるいは減速されるが、この時メッシュ間の電位分布は接線方向で均一であることが望ましいのに対し、実際はこの条件は満たされていないことが予想される。不均一な電位分布の場合、イオンの軌道に応じて加速/減速の大きさが異なり、これは速度推定誤差に影響を与える可能性がある。また、メッシュの線径や間隔は透過率に直結するために選定には注意を要するが、目が粗い場合には面内で電位分布が不均一になることもあり得る。
本研究では、電磁場が存在する空間での荷電粒子の軌道を計算するソフトウェアであるSIMIONを用いてメッシュグリッドの近傍での電位分布の検討を行った。電位分布の推定を行うことでメッシュ構成の設計に関する問題点を整理でき、本測定器に適した金属メッシュの種類や構造を決定することができる。発表では、これまでのシミュレーション結果やメッシュグリッド電極設計の現状、今後の取り組みについて述べる。
我々は、電離圏プラズマ観測のための観測ロケット搭載用イオンドリフト速度測定器の開発を進めている。測定器は、電離圏イオン観測用として用いられてきたRPA (Retarding Potential Analyzer)とIDM (Ion Drift Meter) を組み合わせた構成になっている。RPAでは金属メッシュに電圧を印加することによりイオンのエネルギー分析を行うことが可能で、ドリフト速度の法線方向成分、また条件が揃えばイオン密度や温度が推定できる。
開発中の測定器においてRPA部は6枚のメッシュグリッドにより構成される。メッシュグリッドにかけた電圧によりイオンは加速あるいは減速されるが、この時メッシュ間の電位分布は接線方向で均一であることが望ましいのに対し、実際はこの条件は満たされていないことが予想される。不均一な電位分布の場合、イオンの軌道に応じて加速/減速の大きさが異なり、これは速度推定誤差に影響を与える可能性がある。また、メッシュの線径や間隔は透過率に直結するために選定には注意を要するが、目が粗い場合には面内で電位分布が不均一になることもあり得る。
本研究では、電磁場が存在する空間での荷電粒子の軌道を計算するソフトウェアであるSIMIONを用いてメッシュグリッドの近傍での電位分布の検討を行った。電位分布の推定を行うことでメッシュ構成の設計に関する問題点を整理でき、本測定器に適した金属メッシュの種類や構造を決定することができる。発表では、これまでのシミュレーション結果やメッシュグリッド電極設計の現状、今後の取り組みについて述べる。