JpGU-AGU Joint Meeting 2020

講演情報

[E] ポスター発表

セッション記号 P (宇宙惑星科学) » P-EM 太陽地球系科学・宇宙電磁気学・宇宙環境

[P-EM17] 宇宙天気・宇宙気候

コンビーナ:片岡 龍峰(国立極地研究所)、Antti A Pulkkinen(NASA Goddard Space Flight Center)、草野 完也(名古屋大学宇宙地球環境研究所)、坂口 歌織(情報通信研究機構)

[PEM17-P21] 低速コロナ質量放出に伴う宇宙線の強度増加について

*木原 渉1加藤 千尋1宗像 一起1高 柚季乃1片岡 龍峰2門倉 昭2- the GMDN collaborations (1.信州大学理学部物理学科、2.国立極地研究所)

キーワード:宇宙天気、コロナ質量放出、宇宙線

信州大学では、国立極地研究所と協力して南極昭和基地に宇宙線観測装置を設置し、2018年2月からミューオンと中性子の同地点・同視野・同時観測を開始した。その結果、同年の8月25日にコロナ質量放出の擾乱による宇宙線の強度変動を観測することができた。このイベントは太陽極小期に発生した小規模なコロナ質量放出でありながらDst indexが-174nTに達する大きな地磁気嵐を引き起こした。さらにこのコロナ質量放出は低速であり、その背後からはコロナホールから出た高速太陽風が追いついてきていることが衛星観測からわかった。これらの観点から、このコロナ質量放出は非常に興味深いイベントだといえる。
本研究ではこのイベントを、汎世界的ミューオン計ネットワーク, 世界各地に設置されている中性子計、及び南極昭和基地の中性子計による観測データを用いて解析を行った。その結果、このコロナ質量放出イベントが観測されている期間の後半では宇宙線密度が増加していることがわかった。そこで宇宙線の強度増加の原因について議論する。