JpGU-AGU Joint Meeting 2020

講演情報

[J] ポスター発表

セッション記号 S (固体地球科学) » S-GD 測地学

[S-GD02] 測地学

コンビーナ:松尾 功二(国土交通省国土地理院)、横田 裕輔(東京大学生産技術研究所)、岡 大輔(地方独立行政法人北海道立総合研究機構環境・地質研究本部地質研究所 )

[SGD02-P04] 相対重力計CG-5を用いた重力鉛直勾配測定

*半田 優実1冨山 顕1兒玉 篤郎1栗原 忍1越智 久巳一1大森 秀一1 (1.国土地理院)

キーワード:重力鉛直勾配、相対重力計

国土地理院は、絶対重力計FG5で測定された重力値を地上の基準点に化成するために、Lacoste & Romberg社のG型相対重力計(以下「ラコスト重力計」という。)を用いた異なる高さの複数回の重力測定によって、単位高さあたりの重力変化量である重力鉛直勾配を求めている。従来の絶対重力測量に加え、航空重力測量の開始に伴い、飛行場内の地上重力値を航空機に搭載した重力計の高さに化成するために、複数の飛行場における重力鉛直勾配測定が必要となった。そこで、重力鉛直勾配測定の作業効率向上のため、自動測定が可能なシントレックス社の相対重力計CG-5(以下「CG-5」という。)を飛行場での重力勾配測定に導入することとした。CG-5による測定は、2台の機械を使い、2つの高さの重力値を同時に取得することができるため、測定にかかる時間の削減が可能となるほか、連続測定による多量のデータ収集も期待できる。一方、CG-5は外気温や機械傾斜の変化等に伴い、測定値に非線形の機械ドリフトが発生するなど、測定値が安定しないことがあるとの報告もある。そこで、CG-5を用いた重力鉛直勾配の測定手法の検討と、ラコスト重力計で求めた重力鉛直勾配との比較検証を行った。

石岡測地観測局において試験的に測定を行った結果、重力鉛直勾配はCG-5で0.353 ± 0.004 mGal/m、ラコスト重力計で0.357 ± 0.009 mGal/mとなった。両者の差は、過去10年間の重力鉛直勾配測定で確認されたラコスト重力計の器械間較差より小さく、CG-5による測定は十分な精度を得られると考えられる。
本発表では、CG-5による重力鉛直勾配の測定方法の検討過程とその精度の検証結果について報告する。