日本地球惑星科学連合2021年大会

出展者情報

JAXA地球観測研究センター

JAXA地球観測研究センター

JAXA地球観測研究センター(EORC: Earth Observation Research Center)では、地球観測衛星によって得られたデータの校正検証と、それらのデータを用いた地球科学研究・利用研究を行っています。

地球観測衛星に搭載されたセンサの観測精度向上のための校正検証や解析手法の開発を行いながら、得られたデータを用いた地球の気候変動や水循環、大気環境、地殻変動などの地球科学分野の研究を行っています。また、衛星データは社会的にも実用性が高いため、防災、国土保全、インフラ管理、農業、漁業、林業などの分野に応用するための利用研究も行っています。

これらの研究は各衛星・センサを専門とする各利用研究プロジェクトで実施されており、得られた成果が将来の衛星開発にも反映されています。 JAXA地球観測研究センター
 
利用研究プロジェクト
ALOS利用推進研究プロジェクトでは、陸域観測技術衛星「だいち」シリーズ衛星に搭載された合成開口レーダ(SAR)や高分解能光学センサによるデータの校正検証や、これらのデータを用いた地球科学研究・応用利用研究などを行っています。

地球科学分野では、例えば防災関連研究として地震や火山活動に伴う地殻変動量の推定、大雨にともなう浸水状況や土砂災害の把握、森林関連では森林・非森林分類や土地被覆分類、海洋関連では海上風や海氷分布推定など、また様々な分野で活用できるデータセットとして全球高精度デジタル標高モデルや全球モザイク画像の公開などを行っています。 ALOS利用推進研究プロジェクト

GPMプロジェクトでは、地球観測衛星に搭載された降水レーダを利用した降水・水循環分野に関する地球科学研究・利用研究・校正検証を行っています。雨雪の3次元構造を観測するセンサを用いていることが特徴です。

水は大気、陸、海を通じて、地球上を移動しています。人間の日常生活に用いられる淡水資源の源としての「降水」は、地球の水循環を構成する重要な要素のひとつです。一方で、豪雨や台風による極端な降水は日常生活にとっての脅威となるため、防災の観点でも重要な研究分野となっています。また、利用研究分野では衛星全球降水マップ(GSMaP)の開発・公開を行っており、過去20年以上の1時間ごとの世界中の雨の分布に関する膨大なデータを整備しています。GSMaPは地上の雨の観測が少ない発展途上国や島国において重要な降水情報としても利用されています。 GPMプロジェクト

地球環境変動観測ミッション(GCOM: Global Change Observation Mission)は、マイクロ波と可視赤外の2つの波長域で地球環境変動に関わる地表面温度、水蒸気、植生、雪氷面積などの観測を行うJAXAのミッションです。GCOM-Wプロジェクトでは、地球観測衛星に搭載されたマイクロ波放射計を利用した気候変動に関する地球科学研究・利用研究・校正検証を行っています。

気候変動の兆候が顕著に表れる海氷・氷床・積雪などの雪氷圏変動、エルニーニョに代表される大気・海洋相互作用に伴う海面水温・降水量・水蒸気量などの変動の観測を行っています。さらに、これらの気候変動を理解する上で不可欠な大気・海洋・陸面間の水・エネルギー交換の定量的把握のために、海上風や土壌水分などの観測も行っています。観測したデータは衛星全球降水マップ(GSMaP)への入力データとしても利用されています。大気中の水蒸気量や海面水温の情報は気象庁の数値予報システムへの入力データとしても用いられています。 GCOM-Wプロジェクト

地球環境変動観測ミッション(GCOM: Global Change Observation Mission)は、マイクロ波と可視赤外の2つの波長域で地球環境変動に関わる地表面温度、水蒸気、植生、雪氷面積などの観測を行うJAXAのミッションです。GCOM-Cプロジェクトでは、地球観測衛星に搭載された多波長光学放射計を利用した気候変動に関する地球科学研究・利用研究・校正検証を行っています。

炭素循環の分野では、陸域の植物の分布や地表面温度、海域における植物プランクトンの分布や海面水温などを観測することで、「陸域や海域の生態系による二酸化炭素の吸収能力」を明らかにすることが期待されています。放射収支の分野では、海氷・氷床・積雪などの雪氷圏や、大気中の雲・エアロゾル特性を観測することで、地球温暖化に影響を与えると考えられている「大気エアロゾルによる日傘効果」を明らかにすることが期待されています。これらの特性が明らかになることによって、地球温暖化の予測精度が向上できると期待されています。

また、多波長光学放射計によって観測できるデータは、農業や漁業、林野火災・大気汚染の監視などでも用いることが可能であるため、利用研究方法の開発とデータの公開を行っています。 GCOM-Cプロジェクト

GOSATプロジェクトでは、「いぶき」(GOSAT)シリーズ衛星に搭載されたセンサを用いて、地球温暖化の原因である温室効果ガス(二酸化炭素、メタン)を観測するための研究開発やデータの校正検証を行っています。

地球観測衛星にセンサを搭載することで、地球上の5万6000点以上の場所の温室効果ガス濃度を測定することが可能です。世界各地の設置された観測点の100倍以上もの地点を3日ごとに観測できるようになります。

地球全体における温室効果ガスの分布や時間変化を捉えることで、温室効果ガス排出量の推定精度向上や排出源の推定を行い、地球温暖化防止に向けた国際的な取り組みに貢献しています。 GOSATプロジェクト

雲エアロゾル放射ミッション(EarthCARE : Earth Clouds, Aerosols and Radiation Explorer)は、日本とヨーロッパが協力して開発を進める地球観測衛星ミッションです。地球上空を周回する衛星に搭載する4つの観測センサ(雲プロファイリングレーダ、大気ライダー、多波長イメージャ、広帯域放射収支計)を用いて、雲・エアロゾル(大気中に存在するほこりやちりなどの微粒子)の分布や鉛直構造、大気上端における放射収支エネルギーを全地球的に観測することで、数値気候モデルの改良に必要なデータを継続的に収集し、気候変動予測の精度向上に貢献します。 EarthCAREプロジェクト
 
データ提供サービス
JAXAでは地球観測衛星から得られた多くのデータを無償で公開しており、一部のデータを除いて商用利用も可能です。以下のサイトで多くのデータをご紹介しています。
 
JAXA for Earth
衛星から見た地球のデータ集


衛星全球降水マップ(GSMaP)では過去20年以上の1時間ごとの世界中の雨の分布に関する膨大なデータを整備しています。以下の画面からも最新状況をご覧いただけます。

 
研究協力
JAXA地球観測研究センターでは、JAXAの衛星データの利用研究、利用実証及び社会実装等に資するため、地球観測研究公募(Research Announcement on the Earth Observations: EO-RA)を行っています。 次回の公募は近日中にアナウンスされ、2022-24年度の研究期間(最長3年間、毎年度継続可否の評価あり)を予定しています。 詳細が決まりましたら以下のページに掲載致します。 研究公募
また、JAXAでは定期的に任期付プロジェクト研究員の採用を行っています。詳細についてはJAXA採用情報のページをご確認ください。 JAXA採用情報
任期付プロジェクト研究員採用

 
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