Japan Geoscience Union Meeting 2021

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地域イノベーションエコシステム形成プログラム ”北海道大学のスペクトル計測技術による「革新的リモートセンシング事業」の創成”

北海道大学のグループは世界最多のバンド数を持つ宇宙 用スペクトルカメラを開発し、それを搭載した超小型衛 星を、東北大学などと共同で打ち上げてきました。その カメラを使うことで、広大なバナナ農園における病害の 高精度検出を、宇宙から行うことに世界で初めて成功し ました。こうしたリモートセンシングの力を引き出すた めには、地上でのスペクトル計測が大事です。本事業で はその効率を100-1,000倍に上げることで、社会実装 を実現します。

プロジェクトの進行状況
スペクトル計測システム・手法の開発
・室内で生育環境を制御した状態で複数の対象をコンベアで 自動的に入れ替えながら、全日射角度を模擬しさらに全ての 計測角度でスペクトルを自動取得するシステムを完成させた。 ・ライダーで対象植物をマッピングしながら同時にスペクト ル計測するシステムを開発し、試験運用を実施した。対象物 を視野に固定したまま、様々な角度から自動的にスペクトル 計測するためのドローン実験を行なった。 ・スペクトルライブラリー構築後にビジネス運用をする際、 高速で広域をカバーするための、垂直離着陸機(VTOL)を 用いた計測システムの開発を順調に進めている。 ・世界最多の波⻑で観測を行う最新型の衛星をミャンマーと 共同開発し、ISSより放出、初期運用を行なっている。
 
計測とライブラリーの構築、及びその解析
・北海道衛星データ利用ビジネス創出協議会参画メンバーを 中心とした、農業生産、装置開発、システム構築関連の、約 10の北海道に拠点を持つ企業などからなる事業連携体を組織 し、プログラムを推進している。 ・手持ち及びポールの先端に装着した電動ジンバルを用いた スペクトルライブラリー構築のための計測を、農業生産関連 法人、JICA、農業高校などの協力のもとに、北海道の主要作 物を中心に国内約30の圃場で実施し、これまでに約3万件の スペクトルデータを取得、アーカイブした。 ・これまでに得られたスペクトルライブラリーを用いて、病 害や生育診断のための、本格的なデータ解析を開始した。 ・マレーシアの大学と協力し、同国のオイルパームプラン テーションで、病害検出のためのスペクトル計測を開始した。