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[AAS05-P13] 航空機ジェットエンジン潤滑油ナノ粒子の揮発特性
キーワード:エアロゾル、航空機排ガス、ジェットエンジン潤滑油
航空機排ガスの気候影響および健康影響を評価する上で、ジェットエンジンから排出されるエアロゾル粒子の特性を理解することが重要である。航空機排ガスの気候影響における第一義的な重要性は、巡航高度で排出されるブラックカーボン (BC) による巻雲の生成である。ジェットエンジンからの不揮発性粒子 (主にBC) の測定では、623 Kに加熱された揮発性粒子除去装置 (VPR) によって硫酸塩や有機物を揮発させている。VPRの揮発性粒子除去効率の評価にはテトラコンタン (n-C40H82) が標準物質として用いられる。最近の研究により、実環境ではジェットエンジン潤滑油から生成するナノ粒子が重要であることが分かってきた (e.g., Fushimi et al. Atmos. Chem. Phys., 19, 6389-6399, 2019)。ジェットエンジン潤滑油ナノ粒子の揮発特性についてはよく分かっていない。本研究は、未燃のジェットエンジン潤滑油 (Mobil Jet Oil II) から生成したナノ粒子の揮発特性を評価し、それをテトラコンタンおよびトリアコンタン (n-C30H62) の揮発特性と比較することを目的とした。実験室において、粒径30および50 nmの粒子について加熱蒸発管の下流で粒子数残存率の測定を行った。加熱蒸発管の温度を室温から673 Kまで変化させ、ジェットエンジン潤滑油、テトラコンタン、トリアコンタンについて残存率の温度依存性を導出した。本実験で得られた結果と、成田国際空港で実際に測定された航空機排気粒子の揮発特性との比較を行った。