日本地球惑星科学連合2021年大会

講演情報

[J] 口頭発表

セッション記号 A (大気水圏科学) » A-AS 大気科学・気象学・大気環境

[A-AS06] 成層圏・対流圏過程とその気候への影響

2021年6月3日(木) 09:00 〜 10:30 Ch.06 (Zoom会場06)

コンビーナ:木下 武也(海洋研究開発機構)、坂崎 貴俊(京都大学 大学院理学研究科)、高麗 正史(東京大学大学院理学系研究科地球惑星科学専攻大気海洋科学講座)、江口 菜穂(Kyushu University)、座長:木下 武也(海洋研究開発機構)

09:20 〜 09:40

[AAS06-02] YMC-Sumatra2017期間に観測された力学場とオゾンの短周期変動

★招待講演

*鈴木 順子1、荻野 慎也1、木下 武也1、城岡 竜一1、岩崎 杉紀2、米山 邦夫1 (1.国立研究開発法人海洋研究開発機構、2.防衛大学校)

キーワード:オゾン、重力波、日周期変動

2017年12月4~24日にインドネシア・ベンクルにて実施した、YMC-Sumatra2017の観測期間中のオゾン変動について、力学場との関係に注目した解析結果を報告する。解析には、ECC オゾンゾンデ(計25回、うち 14 回は4時間ごとの頻回オゾン観測を実施)と現地気象台による3時間ごとのラジオゾンデ観測データをもちいた。

期間前半は、対流圏のオゾン混合比の鉛直プロファイルは鉛直にほぼ一様であり、空気塊が鉛直によく混合していた。いっぽう期間後半には、対流活動は非活発であり、鉛直一様性に乏しかった。

ゾンデ観測から得られたオゾンと温位の鉛直プロファイルを比較すると、高度17-27kmにおいて、オゾンと温位は同位相で変動しており、この高度では、鉛直混合によるオゾン変動は、水平移流や光化学反応よりも効果が高いことがわかった。温位と南北流の波動擾乱成分について、各高度の時間依存性を調べたところ、温位と南北流では同様の傾向が見られたことから、先行研究(Sakazaki et al., 2015, ACP)で報告されているオゾンの日周期変動が存在していることが分かった。また高度22km付近には、鉛直波長3-5km程度の重力波に起因すると見られる等オゾン混合比層があった

発表では、オゾン変動における日周期成分と他の短波長重力波成分の振幅を比較した結果を示す予定である。