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[AAS06-17] 大規模アンサンブルデータを用いた成層圏のプラネタリー波束下方伝播の統計解析
キーワード:プラネタリー波束、下方伝播、波の活動度フラックス
松山・廣岡(2019, JpGU2019)は、過去60年にわたるJRA-55再解析データを用いて、北半球冬季成層圏内でのプラネタリー波束の下方伝播について調べた。この研究では、緯度円を45度ずつに区切った8つの経度領域に分け、30hPa面におけるPlumb(1985)の波活動度フラックス鉛直成分(WAFz)に対して、経度領域毎に閾値を定めることにより下方伝播事例を抽出し、下方伝播発生の地理的分布と、下方伝播発生時の高度場の特徴を示した。一方で、経度領域によっては統計解析に十分な事例数が得られなかった。そこで本研究では、大規模アンサンブルデータd4PDF(Mizuta et al., 2017)を用いて、下方伝播事例の統計解析を行った。事例抽出には、以下に述べる二つの方法を用いた。一つ目の方法は、松山・廣岡(2019)と同じである。この抽出方法では、JRA-55の場合と同様の結果が得られた。ただし、d4PDFには100メンバーという多量のデータがあるので、統計解析に十分な事例数が得られた。二つ目の方法では、各格子点において閾値を定め、事例を抽出した。この方法を用いると、前者の方法よりもより詳細な下方伝播発生分布が得られた。二つの方法で得られた地理的分布の大まかな特徴は似ていたが、下方伝播発生時の高度場の特徴には顕著な違いが見られた。