日本地球惑星科学連合2021年大会

講演情報

[J] 口頭発表

セッション記号 A (大気水圏科学) » A-CC 雪氷学・寒冷環境

[A-CC25] ニューノーマルの雪氷学

2021年6月3日(木) 09:00 〜 10:30 Ch.13 (Zoom会場13)

コンビーナ:永井 裕人(早稲田大学 教育学部)、舘山 一孝(国立大学法人 北見工業大学)、石川 守(北海道大学)、紺屋 恵子(海洋研究開発機構)、座長:舘山 一孝(国立大学法人 北見工業大学)、永井 裕人(早稲田大学 教育学部)

09:30 〜 09:45

[ACC25-03] COVID-19状況下におけるスバールバル・ニーオルスンでの観測

★招待講演

*松下 隼士1、宮岡 宏1 (1.大学共同利用機関法人 情報・システム研究機構 国立極地研究所)

キーワード:新型コロナウイルス、ニーオルスン、北極

国立極地研究所(NIPR)は、1991年にノルウェー極地研究所(NPI)と協力協定を締結後、ノルウェー領スバールバル諸島のニーオルスン(北緯79度、東経12 度)に日本初となる極北域の観測所を設立し、今年で30周年を迎えた。NIPRは国際共同研究の枠組みの下、北極圏の雲・エアロゾル・放射、温室効果ガス、植生、生態学等のニーオルスンにおける様々な研究を支援してきた。2019年4月に日本の観測所は、ニーオルスンの中心部に建設された新しい観測施設 「Kingsbay Veksthus」に移転し、同年より施設の維持や研究支援をおこなう技術スタッフの派遣を開始した。
 COVID-19の感染が拡大した2020年3月以降、ノルウェー本土や海外からのCOVID-19流入防止のため、現地の管理運営を担当するNPIとKings Bay AS(キングスベイ社)は厳格な規制を導入した。この規制により、現地での研究活動は困難な状況となったが、10月のCOVID-19状況下において、NPIと駐日ノルウェー大使館の協力により、NIPRから2名の研究者が観測を維持するためニーオルスンへ渡航した。
 NIPRの国際北極環境研究センター(AERC)では、北極圏国の入国制限に関する情報を定期的に更新し、渡航を計画している研究者に情報を提供している。
https://www.nipr.ac.jp/aerc/topics20200525.html
 本発表では、COVID-19状況下のニーオルスンにおいて、観測を維持した実績および2021年の観測所の運営について情報を共有する。