日本地球惑星科学連合2021年大会

講演情報

[J] ポスター発表

セッション記号 A (大気水圏科学) » A-CC 雪氷学・寒冷環境

[A-CC25] ニューノーマルの雪氷学

2021年6月3日(木) 17:15 〜 18:30 Ch.04

コンビーナ:永井 裕人(早稲田大学 教育学部)、舘山 一孝(国立大学法人 北見工業大学)、石川 守(北海道大学)、紺屋 恵子(海洋研究開発機構)

17:15 〜 18:30

[ACC25-P06] 北極域氷河観測計画とcovid-19の影響による計画変更

*紺屋 恵子1 (1.海洋研究開発機構)

キーワード:氷河観測、covid-19、北極域

ArCSIIの一環として、アラスカGulkana氷河周辺でのメタン等の温室効果ガスの観測を2020年夏季に予定していた。メタンは少量でも影響の大きな温室効果ガスである。近年はグリーンランド縁辺部氷河域およびアイスランド氷河域からの発生が確認された。氷河域が新たな発生源として注目されている一方で、観測データはグリーンランド・アイスランドに限られ、発生機構も不明である。そこで著者らは他の山岳氷河域での現地測定を計画した。
しかし、covid-19により現地観測は、実施不可能になった。代替案として他地域についての同様の観測を検討したが、渡航可能な地域が見つからなかった。covid-19は過去のSARS, MERSとは違い世界規模の現象であったため、日本より感染者数の多い国への渡航や、北極域の少数民族が暮らす地域への渡航は難しいという問題があった。2020年度の観測ができないだけでなく、予算の繰越ができないという問題もあったため、全面的に計画を変更し次年度の準備を行うことを優先した。2020年のデータ欠損を補うべく、新たな方法を導入することにした。新たな計画により、多くのデータが取得できることが期待できる。2021年度は、観測を実施できる場合と実施できない場合に分けて計画を立案し、実施できない場合のため更なる変更も検討した。