日本地球惑星科学連合2021年大会

講演情報

[J] 口頭発表

セッション記号 A (大気水圏科学) » A-CG 大気海洋・環境科学複合領域・一般

[A-CG37] 陸域生態系の物質循環

2021年6月5日(土) 13:45 〜 15:15 Ch.08 (Zoom会場08)

コンビーナ:加藤 知道(北海道大学農学研究院)、市井 和仁(千葉大学)、伊勢 武史(京都大学フィールド科学教育研究センター)、寺本 宗正(鳥取大学乾燥地研究センター)

13:45 〜 14:00

[ACG37-01] 日本の二つの冷温帯林における土壌CO2/CH4フラックスの時間と空間変動特性

*孫 力飛1、梁 乃申1、平野 高司2、高橋 善幸 1、寺本 宗正3、高木 健太郎2、近藤 俊明4、小嵐 淳5、安藤 麻里子5、井手 玲子1、趙 昕1、石田 祐宣6、高木 正博7、矢崎 友嗣8 (1.国立環境研究所、2.北海道大学、3.鳥取大学、4.日本国際農林水産業研究センター、5.日本原子力研究開発機構 、6.弘前大学、7.宮崎大学、8.明治大学)

キーワード:土壌炭素フラックス、チャンバー、時間変動、空間変動

森林性生態系は陸地面積の30%を占めており、全森林蓄積炭素量(860 Pg)が陸域生物圏のおよそ45%以上を寄与している。森林土壌炭素フラックスは二酸化炭素(CO2)とメタン(CH4)が含まれる森林土壌炭素フラックスでは、土壌呼吸とCH4吸収率が高いため、地球規模の気候変動に重要な役割を果たしている。したがって、将来の炭素収支と気候変動を理解するために森林土壌炭素フラックスのメカニズムを解明することが必須となる。
そこで本研究は北海道の苫小牧(2004に台風攪乱後の天然林)と富士北麓(65年生のカラマツ林)にある二つの冷温帯林サイトにおいて自動開閉式チャンバーシステムを用いて土壌炭素フラックスを測定した。各サイトにチャンバーを対照区,トレンチ区と植物区の3 処理に分けて、無雪期に1時間或いは2時間間隔の連続観測データを用いて土壌炭素フラックスの時間空間の変動特性を解明した。
両サイトとも土壌CO2/ CH4フラックスの季節変化を示し、土壌呼吸が土壌温度の上昇に伴って増加したが、土壌CH4フラックスの吸収率が土壌水分と負の相関が見られた。サイト間の土壌温度と含水率の有意差がないことによって、充実した根のバイオマスと土壌有機物炭素が富士北麓カラマツ林の高い土壌炭素フラックスに起因するかと示唆された。