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[ACG38-09] 潮汐混合によってインドネシア通過流の流量増加が起こる経路
キーワード:インドネシア通過流、潮汐混合、OFES2
インドネシア通過流(ITF)は、太平洋とインド洋の間に存在するインドネシア多島海を太平洋からインド洋へと通過する海流である。インドネシア多島海の海底地形は複雑なため、この海域では潮汐によって活発な鉛直混合が励起されていると考えられている。Sakaki et al. (2018) ではOFES2から潮汐混合スキームの有無によってITF流量が、潮汐がある場合に0.88 Sv増加することが示されたが、その要因は特定出来ていない。本研究の目的は潮汐混合によってITF流量が増加するメカニズムを解明するため、流量増加が起こる経路を特定することである。まずインドネシア多島海の周辺海域をCelebes Sea、Makassar Strait、Molucca Sea等のように7つの区画に分割し、潮汐混合によって増加した流量の収支バランスを計算した。ITFの増加分は下層から上層へと多島海で起こる湧昇、そしてフィリピン東沖からMakassar Straitから流入する上層の流れで形成されていることを示していた。この上層の流れは太平洋の外洋域で起きた潮汐混合によるものであると考えられる。