日本地球惑星科学連合2021年大会

講演情報

[J] ポスター発表

セッション記号 A (大気水圏科学) » A-CG 大気海洋・環境科学複合領域・一般

[A-CG39] 北極域の科学

2021年6月4日(金) 17:15 〜 18:30 Ch.08

コンビーナ:中村 哲(北海道大学大学院地球環境科学研究院)、小野 純(海洋研究開発機構)、島田 利元(宇宙航空研究開発機構)、両角 友喜(北海道大学 大学院農学研究院)

17:15 〜 18:30

[ACG39-P02] 全球規模で見るテレコネクションとGDP成長率の共変動

*加藤 茜1、立花 義裕1、小松 謙介2、安藤 雄太1,3 (1.三重大学大学院生物資源学研究科、2.気象庁気象研究所、3.新潟大学理学部)

キーワード:テレコネクション、国内総生産、太平洋十年規模振動、南方振動

気象や気候は、経済に影響を与えることが知られている。ここで、エルニーニョ現象のようにある地域の気象が別の地域の気象に影響を与えることがある。それと同様に、ある国の経済が別の国の経済に影響を及ぼすことがある。よって、気象・気候と経済の関係を調べる際には、遠隔的な影響を考慮しながら全球的な視点から調べることが必要である。そこで、本研究では大気テレコネクションと各国の国内総生産(GDP)成長率の関連を調べ、経済活動と関連の深いテレコネクションパターンを明らかにすることを目的とする。
今回の研究では、太平洋十年規模振動(PDO)指数もしくは南方振動指数(SOI)とGDP成長率の間に関連があることが示唆された。GDP成長率の経験的直交関数(EOF)解析をしたところ、第1モードの指数と各国のGDP成長率の相関係数は、アフリカや東南アジアといった発展途上国を中心に負となった。このことから、第1モードは発展途上国と先進国の格差を表していると考えられる。さらに、第1モードの指数とPDO指数もしくはSOIの同時相関をとると、有意な相関が見られた。SOIは翌年の第1モードの指数とも有意な相関があった。以上のことから、発展途上国と先進国の格差がこれらのテレコネクションパターンと関連している可能性を示唆できた。