13:45 〜 14:00
[ACG42-01] 沿岸域における河川水の行く末
キーワード:河川プリューム
河川水は、海水と混ざりながら河口域から沿岸域の海面付近を広がり、河川プリュームを形成する。大陸規模の河川から流出する河川水はコリオリ力によって沿岸域にトラップされるため、海水との混合が抑制され、淡水シグナルが消滅するまでの距離は数百キロ続くことが知られている。一方、中小規模の河川の場合、コリオリ力が効く前に海水との混合と水平拡散が起きるため、河川水は短い距離・日数のうちにその淡水シグナルが消滅してしまう。我々は河川海洋一体型モデルを用いて、この沿岸域における河川水の流出過程を再現し、集中豪雨が作り出す河川プリュームの拡散過程の検証を進めている。数値モデルは突発的な河川水の流入が河口域を中心に海水と混合する重力流としての特徴を持っていること、そして小規模な河川群から流入する淡水の存在が沿岸域の塩分分布の形成に無視できないことを示唆している。発表では河川プリュームの高解像度観測の手法として近年、注目されているドローン空撮についても紹介する。