日本地球惑星科学連合2021年大会

講演情報

[J] 口頭発表

セッション記号 A (大気水圏科学) » A-CG 大気海洋・環境科学複合領域・一般

[A-CG42] 陸域〜沿岸域における水・土砂動態

2021年6月3日(木) 15:30 〜 17:00 Ch.11 (Zoom会場11)

コンビーナ:木田 新一郎(九州大学・応用力学研究所)、浅野 友子(東京大学)、有働 恵子(東北大学災害科学国際研究所)、山崎 大(東京大学生産技術研究所)、座長:木田 新一郎(九州大学・応用力学研究所)、浅野 友子(東京大学)、山崎 大(東京大学生産技術研究所)、有働 恵子(東北大学災害科学国際研究所)

15:30 〜 15:45

[ACG42-07] 沖積河川における土砂収支と河道地形変化の関わり - 淀川下流域を例として -

★招待講演

*東 良慶1 (1.大阪工業大学)

キーワード:沖積河川、土砂収支、河道地形変化

我が国の沖積河川は,上流山地からの土砂供給および下流海岸への土砂流出,すなわち土砂収支のバランスが崩れ,沖積河川の多くは河床が低下する傾向にある.この河床低下は水利施設の機能低下等の様々な問題を引き起こす.一方で,河川の流下能力(治水能力)を向上させている側面もある.本研究では,淀川中下流域において実施された1970年代前半,1990年代初頭,および,2000年代後半の河川横断測量成果にもとづき,淀川(35.0km),宇治川(16.0㎞),木津川(36.0km),桂川(18.6km)区間の河床地形変化量を算定する.これにより淀川中下流域における総体的な土砂収支を評価する.また,地質調査などのボーリング柱状図を集成した地盤情報データベースにもとづき,宇治川の流域に沿った堆積層断面図を作成し,地形変化と堆積環境との関わりを明らかにした.
本研究で得られた主要な結論は以下の通りである.1)淀川中下流域において,1990年代から2000年代の約20年間では,23.5万トンの土砂が毎年,河道内から大阪湾に流出(流失)していることが明らかとなった.2)この土砂流出は河道内の低水路空間の増大を意味し,河積容量の増加,すなわち河川の流下能力の向上を意味する.3)本来上流から流入する土砂と河床低下(侵食)によって下流へと流出する土砂の質は異なることが多く,河道地形の変化と沿川の堆積環境の関係性を的確に捉えることが望まれる.これにより流出する土砂の質が把握することが可能となり,治水・利水・環境面をふまえた河川(低水路)マネジメントに直結すると考えらる.また将来的には,流域一貫での土砂収支および生態系を総合的かつ多角的に考慮した河川管理技術へと発展することが期待される.