日本地球惑星科学連合2021年大会

講演情報

[J] ポスター発表

セッション記号 A (大気水圏科学) » A-CG 大気海洋・環境科学複合領域・一般

[A-CG42] 陸域〜沿岸域における水・土砂動態

2021年6月3日(木) 17:15 〜 18:30 Ch.07

コンビーナ:木田 新一郎(九州大学・応用力学研究所)、浅野 友子(東京大学)、有働 恵子(東北大学災害科学国際研究所)、山崎 大(東京大学生産技術研究所)

17:15 〜 18:30

[ACG42-P05] 津波により海底堆積物が擾乱を受ける大阪湾での津波後の再堆積・海水輸送予測シミュレーション

*林 美鶴1,2、中田 聡史4、廣川 綜一2、藤澤 秀仁3 (1.神戸大学内海域環境教育研究センター、2.神戸大学大学院海事科学研究科、3.神戸大学海事科学部、4.国立環境研究所)

キーワード:津波、大阪湾、海底堆積物、シミュレーション、再堆積、海水輸送

南海トラフ地震の津波は、大阪湾の海底堆積物に擾乱をもたらす。これは高度経済成長を経た大阪湾が初めて遭遇する大規模な海底堆積物擾乱である。海底堆積物は栄養塩、有毒プランクトンのシスト、バクテリア、重金属など、様々な物質を含有している。海洋のSDGsのためには、津波による海洋環境や生態系の変化を予測する必要がある。Nakada et al. (2018)は、津波シミュレーションにより海底堆積物は大阪湾奥(東半分)で巻き上がる事を予測した。特に港口や河口で多く、地震発生から10時間で10kg/m2以上の堆積物が巻き上がった。そこで、巻き上げられた海底堆積物の輸送と再堆積、物質が溶存した海水の輸送を、海洋モデルによりシミュレーションした。堆積物の輸送と沈降を潮流モデルによりシミュレーションした。沈降速度はストークスの式により与えた。地震から一カ月間計算を行った結果、水深が浅い岸沿いや沖の瀬と、潮汐残差流によるフロント形成域に再堆積した。海水の輸送を三次元モデルFVCOMによりシミュレーションした。地震発生時期が異なる2か月毎の6ケースについて計算を行い、それぞれ2カ月間計算した。大阪湾内での海水の輸送経路や速度、海峡からの流出時期や速度は、ケースによって異なった。