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[AGE28-P02] 路盤用再生砕石の不飽和浸透特性に関する実験的研究
キーワード:再生路盤材、水分特性曲線、不飽和透水係数
透水性舗装や保水性舗装の貯留・浸透特性を評価する際には,舗装を構成する路盤材料の水分保持能や不飽和透水係数といった不飽和浸透特性を詳細に把握することが必要である.現在に至るまで粒状路盤材に関する飽和透水係数や飽和保水能に関する評価は多く報告されているが,水分特性曲線や不飽和透水係数の評価に関する研究は少ない.理由としては不飽和流れや試料中サクションの制御など室内実験による測定方法が難しく,多くの時間を要するためである.この研究では,上層路盤や下層路盤に用いられる粒度調合再生砕石(RCA: recycled concrete aggregates)の水分特性曲線や不飽和透水係数を室内実験で測定・評価することを目的とした.また,比較試料として豊浦砂も用いた.実験はRCA(0 – 31.5mm)をふるい試験にかけ,円形容器に修正プロクター法による締固め,もしくは手詰めで試料を作成し,飽和後,水分特性曲線と不飽和透水係数を測定した.水分特性曲線は,吸引法,加圧法,露点式ポテンシャルメーターを組み合わせたサクションコントロール法(suction control method),及び蒸発法で行った.蒸発法ではテンシオメータで計測したサクションで動水勾配を求め,蒸発量を一定流量(フラックス)とみなし,ダルシー則から不飽和透水係数を算出した.そして,van Genuchten(VG)-Mualemによる水分特性曲線のフィッティングによる不飽和透水係数の推定も行った.結果,RCAと豊浦砂の実測値はvan Genuchtenモデルでよく表現ができ,水分特性曲線からRCAは豊浦砂に比べてサクション10kPa超えた付近から不飽和時における水分保持力が大きくなることが分かった.また不飽和透水係数に関してRCAの実測値はMualemモデルであまり表現できなかったが,1~10kPaの間でRCAが豊浦砂より不飽和透水係数が大きく,RCAが豊浦砂に比べて水分移動性があることを示している.また、蒸発法で求めたRCAの不飽和透水係数のl値は概ね-3.5~-14と負値を取ることが明らかとなり、通常のVG-Mualem式で用いられるl=0.5では適切に不飽和透水係数を推定できないことが分かった.