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[AOS17-02] クロロフィルa亜表層極大の広域分布
キーワード:クロロフィルa、亜表層極大、酸素過飽和
亜熱帯外洋域において、クロロフィル濃度は亜表層で極大を取ることが知られている。しかしながら、海面のクロロフィル濃度は、衛星データの登場により、分布や変動が調べられているのに対し、亜表層における広域分布や時間変動は知られていない。そこで、既存のデータベースに登録されているクロロフィルa濃度のデータを用いて、亜表層クロロフィルa濃度の広域分布を調べた。その結果、亜熱帯・熱帯域では、1年を通して、亜表層クロロフィルa極大が見られた(図1)。その深度は概ね有光層深度と一致するが、熱帯では有光層深度よりやや浅い一方、亜熱帯ではやや深かった。亜熱帯域では、夏季混合層の底から亜表層クロロフィル極大の間では、酸素の季節的な増加が見られ、実質的な新生産が示唆された。太平洋赤道域の亜表層クロロフィルa濃度は、エルニーニョ時に中央部から東部で上昇する一方、西部では低下し、海面とは逆向きに変化していた。