日本地球惑星科学連合2021年大会

講演情報

[E] ポスター発表

セッション記号 B (地球生命科学) » B-CG 地球生命科学複合領域・一般

[B-CG03] 地球惑星科学 生命圏フロンティア

2021年6月3日(木) 17:15 〜 18:30 Ch.16

コンビーナ:加藤 真悟(国立研究開発法人理化学研究所)、高野 淑識(海洋研究開発機構)、鈴木 庸平(東京大学大学院理学系研究科)、福士 圭介(金沢大学環日本海域環境研究センター)

17:15 〜 18:30

[BCG03-P02] 炭酸カルシウム0.5水和物の生成条件

*酢山 真衣1、福士 圭介2 (1.金沢大学、2.環日本海域環境研究センター)

キーワード:炭酸カルシウム、炭酸カルシウム1/2水和物、生成条件、溶解度、アルカリ湖

炭酸カルシウムは無水炭酸カルシウムのカルサイト、アラゴナイト、バテライト、含水炭酸カルシウムのモノハイドロカルサイト(MHC, CaCO₃・H₂O)、イカイト(CaCO₃・6H₂O)、非晶質炭酸カルシウム(ACC)の6種類に分類される。これらに加え、近年、Zou et al. (2019)にて炭酸カルシウム1/2水和物(Calcium carbonate hemi hydrate: CCHH, CaCO₃・1/2H₂O)が世界で初めて合成された。Zou et al. (2019)はCaCl₂、MgCl₂、Na₂CO₃溶液を混合するとCCHHはACCがMHCへと転移する際に、MHCの前駆体として生成すると報告している。Ca、Mg、CO₃は自然界に豊富に存在するため、CCHHの形成は天然環境でも可能だと考えられる。炭素循環において大きな役割を担う炭酸カルシウムの一種がもしも新たに発見されれば、今まで見落としていた地球化学的事実が存在することも十分にあり得る。そこで、本研究ではCa、Mg、CO₃を含む初期溶液から様々な濃度条件で炭酸カルシウムの形成を試みることによりCCHHの生成条件を明らかにすることを目的とする。またろ液の成分解析から天然環境との比較を行い、自然界における存在可能性について触れる。