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[G01-04] 火山災害における防災教育
桜島版HUG(避難所運営ゲーム)の開発
キーワード:防災、教育、火山、避難所
この研究の目的は、桜島火山災害に関する防災教育として、桜島版HUG(hinanzyo unei gameの頭文字、避難所 運営 ゲーム)を開発することである。それにより、住民が桜島版の避難所運営ゲームを体験することにより、災害における自助・共助の必要性を理解する。そして、災害における自助力を獲得するための行動を起こし、地域の防災・減災の対策の強化につながることをねらいとしている。これまで、鹿児島大学の地震火山防災センターでは、2018年からワーキンググループを発足させ、活動を開始した。そのワーキンググループでは、市立病院の救急救命センターの医療スタッフ、鹿児島市の保健師、鹿児島市の危機管理局、鹿児島市の福祉課職員、南日本新聞社の記者、富士火山研究所研究員が集った。そこで、「今、桜島が大正噴火の規模の噴火を起こすことになれば、どのようなことが起こるのか」を検討した。その結果、人々の生命や暮らしに大きな影響を及ぼすことが予測された。火山災害では降灰による影響から鹿児島市は孤立する。そして、災害被害は、長期化し、避難所生活は避けては通れないとの結論に至った。それでは、「住民はどうしたらよいのか」の対策を検討した。そして、静岡県の開発した避難所(HUG)ゲームを体験してもらうことにより、住民への防災、減災の啓蒙活動を広げていく必要があると考えた。そしてメンバー間でことのことを共通認識した。これにより、オリジナルの桜島版の避難所運営ゲームの開発に取り組んだ。この避難所ゲームは、避難所で起こる様々な出来事にどう対応していくかの模擬体験ゲームである。そして、現在、この桜島版避難所運営ゲームの試作版が完成した。この試作版では、自治体や災害に関わる関係職種が火山災害に関わるための知識や対応を学ぶことができるものになっている。しかし、この研究の最終目標は、住民の火山災害に関する防災教育による自助力の向上を目的としていることから、さらなる活動が必要になる。そこで、一般住民や小学生、高齢者にも普及するには、視覚、感覚でとらえる教材が必要である。そして、この解説付きのゲームカードを完成させ、プレイしてもらうことで、住民への防災、減災の啓蒙につなげる。方法としては、完成している教材の桜島版避難所運営ゲームを試験的の実施してもらう。それは、1年に1回行われる桜島避難訓練時において、参加者にプレイをしてもらった。また、災害や防災に興味のある小学生、中学生を募る。応募してきた子供にもゲームをしてもらい、観察する。そして、理解できない言葉はないか、困ったことはないか、意見をもらう。小、中学学校の教員には、起こりそうな問題について意見をもらう。それにより、内容を修正する。修正した、桜島版避難所運営ゲームの完成版とする。その結果、小学生は、楽しくゲームをすることができていた。また、それにより、災害への興味関心が高くなった。中学生は、小学生の面倒をみて、ゲームの説明を行っていた。これにより、年長者としての態度が芽生えていた。桜島は大正噴火規模の爆発を起こす危険がある。このゲームを開発することで、市および県下の住民に普及することができる。それにより、火山災害だけではなく、他の災害における防災・減災意識を高めることにもつながる。このゲームの開発は、桜島だけのものではない。このゲームが他の火山災害に応用される。富士山の火山災害も可能性はゼロではない。よって、火山国日本においては優先されるべき事案と考える。