14:00 〜 14:15
[G03-02] 保育者と小学校教員に向けた、宇宙と地球のホーム・サイエンス
キーワード:天文教育、幼児教育、小学校教育
乳幼児期から小中高の学校の時期のすべての時期において、子どもに、宇宙と地球を中心に、身の回り、そして広大な科学の世界を紹介する意義と重要性は、科学教育の研究者のみならず、幼児教育の研究者も指摘している。科学に関係する仕事をしていない大人であっても、機会あれば科学的なことがらに興味を持ち、科学について話したいと考えている人が多いことを、種々の調査は明らかにしてきている。十分な環境整備がまだなされていないという問題をよく把握する必要はあるが、小中高の学校教員は、宇宙と地球の科学についての研修の機会を持つことができる。しかし、幼児期および学童期の保育者は、保育現場の忙しさもさることながら、現場内外の科学教育への理解と環境整備の遅れから、そのための時間がほとんど取れないままである。
そのため、筆者は保育現場での科学教育の研究者や実践者と協働して、普段の生活の中で、宇宙と地球に関して科学の遊びを取り入れた活動(この発表では、便宜上これをホーム・サイエンスと呼ぶことにする)を実践してきた(例えば、日本保育学会 第73回大会、自主シンポジウム J-C-10「Home Science, Home Math:出会うべきものはいつもの風景の中、その出会いを介在するのはあなた!」)。
この発表では、その実践例、評価法の例を紹介する。扱う対象は、以下の図を参考にしていただきたい。対象年齢は、幼児期から学童期の3歳から15歳を念頭に置いている。実践の方法としては屋外や部屋の中からの昼間、夕方、夜の空の観察、部屋の中での光や色の科学遊び、一年を通しての天、特に太陽の運行、それに伴っての気象や生き物の一年を通しての様子、私たちの生活の一年の巡りに気づくためのお話や気づきのための活動である。この発表で紹介する実践例は、保育者(保育園、幼稚園、こども園、学童保育)や小学校教員に活用してもらうことを念頭に置いている。この実践は公的な教育課程に沿った学校の教室内の活動ではないが、宇宙や地球に対して興味関心を高めるための土台として、また、公的な教育内容と生活や社会とをよりつなぐための基盤として機能できるものと考えている。宇宙や地球の分野に興味があっても、その分野の授業に苦手意識のある小学校教員は多い。保育者のみならず、そのような小学校教員にも利益になるものと考えている。また、小学校低学年の生活科の授業では宇宙や地球をほとんど扱わないが、そこに切り込む方法を提示できると考えている。感染症拡大への対応で、互いに物理的距離を取らざるを得ない社会状況になっており、それがまだしばらく続く見通しである。特別な機器を必要とせず、屋外、そしてゆったりとした室内での活動は、このような状況下の学校での活動、また児童・生徒の自主学習としても可能性がある内容と考えている。評価法として、保育現場でのエピソード記録の方法を紹介する。これは学校教育での評価法と違っているが、思考や表現、主体的に取り組む態度を見る点で、そしてそれらを土台として知識や技能の獲得を期待する点で同じ方向を向いている。また、教員養成において、この活動が科学の分野を苦手にする学生の自信獲得に役立ったことを紹介する。
そのため、筆者は保育現場での科学教育の研究者や実践者と協働して、普段の生活の中で、宇宙と地球に関して科学の遊びを取り入れた活動(この発表では、便宜上これをホーム・サイエンスと呼ぶことにする)を実践してきた(例えば、日本保育学会 第73回大会、自主シンポジウム J-C-10「Home Science, Home Math:出会うべきものはいつもの風景の中、その出会いを介在するのはあなた!」)。
この発表では、その実践例、評価法の例を紹介する。扱う対象は、以下の図を参考にしていただきたい。対象年齢は、幼児期から学童期の3歳から15歳を念頭に置いている。実践の方法としては屋外や部屋の中からの昼間、夕方、夜の空の観察、部屋の中での光や色の科学遊び、一年を通しての天、特に太陽の運行、それに伴っての気象や生き物の一年を通しての様子、私たちの生活の一年の巡りに気づくためのお話や気づきのための活動である。この発表で紹介する実践例は、保育者(保育園、幼稚園、こども園、学童保育)や小学校教員に活用してもらうことを念頭に置いている。この実践は公的な教育課程に沿った学校の教室内の活動ではないが、宇宙や地球に対して興味関心を高めるための土台として、また、公的な教育内容と生活や社会とをよりつなぐための基盤として機能できるものと考えている。宇宙や地球の分野に興味があっても、その分野の授業に苦手意識のある小学校教員は多い。保育者のみならず、そのような小学校教員にも利益になるものと考えている。また、小学校低学年の生活科の授業では宇宙や地球をほとんど扱わないが、そこに切り込む方法を提示できると考えている。感染症拡大への対応で、互いに物理的距離を取らざるを得ない社会状況になっており、それがまだしばらく続く見通しである。特別な機器を必要とせず、屋外、そしてゆったりとした室内での活動は、このような状況下の学校での活動、また児童・生徒の自主学習としても可能性がある内容と考えている。評価法として、保育現場でのエピソード記録の方法を紹介する。これは学校教育での評価法と違っているが、思考や表現、主体的に取り組む態度を見る点で、そしてそれらを土台として知識や技能の獲得を期待する点で同じ方向を向いている。また、教員養成において、この活動が科学の分野を苦手にする学生の自信獲得に役立ったことを紹介する。