日本地球惑星科学連合2021年大会

講演情報

[J] 口頭発表

セッション記号 H (地球人間圏科学) » H-CG 地球人間圏科学複合領域・一般

[H-CG23] 原子力と地球惑星科学

2021年6月5日(土) 10:45 〜 12:15 Ch.17 (Zoom会場17)

コンビーナ:笹尾 英嗣(国立研究開発法人日本原子力研究開発機構 東濃地科学センター)、竹内 真司(日本大学文理学部地球科学科)、長谷川 琢磨(一般財団法人 電力中央研究所)、座長:竹内 真司(日本大学文理学部地球科学科)

11:00 〜 11:15

[HCG23-08] 拡散試験による分離・分別係数の評価

*長谷川 琢磨1、中田 弘太朗1、Gwynne Rhys2 (1.一般財団法人 電力中央研究所 、2.University of Waterloo )

キーワード:拡散場、同位体分別、成分分離

放射性廃棄物処分の安全評価では、地下水流動が遅いことを示すことが重要である。これは、核種が放射壊変によって濃度低下するためである。地下水流動が非常に遅い場は、拡散が支配的となる。これは拡散場と言われ、もっとも物質の輸送が遅い状態である。拡散が支配的であることを示すには、物質の分離や同位体の分別が発生していることを示すのが有効である。この物質の分離や同位体分別を評価するために、拡散試験を実施した。
 幌延の岩石に対して試験を実施したところ、天然試料ではδDの拡散係数はClの数倍程度高いことがわかった。同位体分別係数はClで1.0017-1.0021、Brで1.007-1.0010であった。また、拡散に有効な間隙率も調査した。この結果、δDとClの有効間隙率は多少異なるものの、拡散係数の差に比べると十分に小さく、拡散によって物質の分離が発生することが確認できた。このため、δDとClの分離、ClとBrの分別は拡散場を評価する際に有用な指標になると考えられた。
 本研究は、経済産業省からの受託研究「平成2年度 高レベル放射性廃棄物等の地層処分に関する技術開発事業(岩盤中地下水流動評価技術高度化開発)」の成果の一部である。試料の一部は、日本原子力研究開発機構から提供して頂いた。ここに記して謝意を表します。