日本地球惑星科学連合2021年大会

講演情報

[J] ポスター発表

セッション記号 H (地球人間圏科学) » H-CG 地球人間圏科学複合領域・一般

[H-CG29] 圏外環境における閉鎖生態系と生物システムおよびその応用

2021年6月6日(日) 17:15 〜 18:30 Ch.09

コンビーナ:篠原 正典(帝京科学大学)、加藤 浩(三重大学 地域イノベーション推進機構 先端科学研究支援センター 植物機能ゲノミクス部門)、木村 駿太(宇宙航空研究開発機構 宇宙科学研究所 / 宇宙探査イノベーションハブ(併任))、オン 碧(筑波大学)

17:15 〜 18:30

[HCG29-P01] 過酷環境曝露後の陸棲藍藻Nostoc sp. HK-01休眠細胞の発芽と伸長

*鴇田 未来1、オン 碧1、加藤 浩2、富田ー横谷 香織1 (1.筑波大学、2.三重大学)

キーワード:過酷環境、陸棲藍藻、休眠細胞の発芽、Nostoc sp. HK-01

陸棲藍藻Nostoc sp. HK-01(以降HK-01)乾燥藻体中の休眠細胞は、これまでに高い過酷環境耐性が認められ、国際宇宙ステーションの外部曝露部を用いた宇宙実験の生物材料として3度採択されている。第一回の宇宙実験における、帰還藍藻乾燥藻体の酵素法による生存試験の結果から、少なくとも、紫外線などの宇宙線が直接曝露されない遮蔽された場合は、地上対照と著しい変化は認められないことが確認されている。HK-01の宇宙利用が期待されている中、今後、個々の細胞のより詳細な観察や生体内外の化学的分析が求められる。本研究は、乾燥期間の長さや紫外線などの過酷環境が及ぼすHK-01への影響を、加水後の発芽と増殖に焦点を当てて明らかにすることを試みた。本研究の成果は、宇宙環境を含む過酷環境がHK-01に及ぼす影響に関与する、今後のより詳細な観察と分析に繋がる基礎情報を得ることができると考える。