17:15 〜 18:30
[HDS07-P02] 恵那山- 猿投山北断層帯における古地震トレンチ調査
キーワード:活断層、中部日本、古地震トレンチ調査
恵那山- 猿投山北断層帯は、地震調査研究推進本部によって定義された屏風山-恵那山断層帯及び猿投山断層帯を構成する1つの活断層の区間名である。発表者らは2020年度にこの活断層帯において2地点で古地震トレンチ調査を実施する機会を得たので、その成果を報告する。
恵那山-猿投山北断層帯は、恵那山断層と猿投山北断層によって構成される長さ約51 kmの断層帯である。この地震全体が一度に活動して地震を発生させるとM7.7の大地震が発生する可能性があると評価されている(地震調査研究推進本部地震調査委員会,2004)。しかしながら、恵那山断層が南東傾斜の逆断層であるのに対し、猿投山北断層は高角な右横ずれ断層と評価されており、地下の断層面は離れていると考えられるため、両断層が連動して大地震を発生させる可能性については議論の余地が残されている。本調査研究では、断層活動履歴の観点から、両断層が過去に同時に活動した可能性について新しい情報を得ることを目的としている。
恵那山断層は、岐阜県中津川市から土岐市まで延びる長さ約38 kmの活断層である。この断層の走向は東北東-西南西で、南東傾斜の逆断層とされている。ただし、露頭で確認されている断層面の傾斜角は比較的高角である。恵那山断層の活動履歴については岐阜県(2002)が恵那市岩村町富田地区で古地震調査を実施している。本調査では、岐阜県がトレンチ調査を実施した富田地区において岐阜県が掘削したトレンチから約50 m北東側において群列ボーリング調査と古地震トレンチ調査を実施した。トレンチ壁面では、高角に南東へ傾く断層面が崖錐堆積物と土石流堆積物を切る様子が観察された。
猿投山北断層は、岐阜県瑞浪市から愛知県瀬戸市および豊田市まで延びる長さ約22 kmの活断層である。この断層の走向は東北東-西南西で、高角な右横ずれ断層とされている。ただし、愛知県が実施したトレンチ調査で確認されている断層面の傾斜角は比較的低角である。猿投山北断層の活動履歴については、愛知県が瀬戸市東白坂地区で古地震調査を実施している。本調査では、愛知県がトレンチ調査を実施した東白坂地区において、愛知県が掘削したトレンチから約20 m北東側において古地震トレンチ調査を実施した。トレンチ壁面では、低角に南東へ傾く断層面が、河川性の細粒堆積物を切り、土石流堆積物に覆われる様子が観察された。
投稿段階では年代測定結果が出揃っていないためここでは活動時期に関して述べないが、発表当日は両断層の活動時期について既往の調査結果との比較検討も含めて詳細に議論したい。
本研究は、令和2年度科学技術基礎調査等委託事業「屏風山・恵那山断層帯及び猿投山断層帯(恵那山-猿投山北断層帯)における重点的な調査観測」(研究代表機関:国立大学法人東海国立大学機構)の一環として実施された。
恵那山-猿投山北断層帯は、恵那山断層と猿投山北断層によって構成される長さ約51 kmの断層帯である。この地震全体が一度に活動して地震を発生させるとM7.7の大地震が発生する可能性があると評価されている(地震調査研究推進本部地震調査委員会,2004)。しかしながら、恵那山断層が南東傾斜の逆断層であるのに対し、猿投山北断層は高角な右横ずれ断層と評価されており、地下の断層面は離れていると考えられるため、両断層が連動して大地震を発生させる可能性については議論の余地が残されている。本調査研究では、断層活動履歴の観点から、両断層が過去に同時に活動した可能性について新しい情報を得ることを目的としている。
恵那山断層は、岐阜県中津川市から土岐市まで延びる長さ約38 kmの活断層である。この断層の走向は東北東-西南西で、南東傾斜の逆断層とされている。ただし、露頭で確認されている断層面の傾斜角は比較的高角である。恵那山断層の活動履歴については岐阜県(2002)が恵那市岩村町富田地区で古地震調査を実施している。本調査では、岐阜県がトレンチ調査を実施した富田地区において岐阜県が掘削したトレンチから約50 m北東側において群列ボーリング調査と古地震トレンチ調査を実施した。トレンチ壁面では、高角に南東へ傾く断層面が崖錐堆積物と土石流堆積物を切る様子が観察された。
猿投山北断層は、岐阜県瑞浪市から愛知県瀬戸市および豊田市まで延びる長さ約22 kmの活断層である。この断層の走向は東北東-西南西で、高角な右横ずれ断層とされている。ただし、愛知県が実施したトレンチ調査で確認されている断層面の傾斜角は比較的低角である。猿投山北断層の活動履歴については、愛知県が瀬戸市東白坂地区で古地震調査を実施している。本調査では、愛知県がトレンチ調査を実施した東白坂地区において、愛知県が掘削したトレンチから約20 m北東側において古地震トレンチ調査を実施した。トレンチ壁面では、低角に南東へ傾く断層面が、河川性の細粒堆積物を切り、土石流堆積物に覆われる様子が観察された。
投稿段階では年代測定結果が出揃っていないためここでは活動時期に関して述べないが、発表当日は両断層の活動時期について既往の調査結果との比較検討も含めて詳細に議論したい。
本研究は、令和2年度科学技術基礎調査等委託事業「屏風山・恵那山断層帯及び猿投山断層帯(恵那山-猿投山北断層帯)における重点的な調査観測」(研究代表機関:国立大学法人東海国立大学機構)の一環として実施された。