日本地球惑星科学連合2021年大会

講演情報

[J] ポスター発表

セッション記号 H (地球人間圏科学) » H-DS 防災地球科学

[H-DS07] 中部日本におけるサブダクションと活断層ハザード

2021年6月5日(土) 17:15 〜 18:30 Ch.10

コンビーナ:吾妻 崇(国立研究開発法人産業技術総合研究所)、鈴木 康弘(名古屋大学)

17:15 〜 18:30

[HDS07-P03] 活断層の長期評価と地震動予測に関する専門家向けアンケート調査(その1)

*光井 能麻1、鷺谷 威1 (1.名古屋大学減災連携研究センター)

キーワード:活断層、長期評価、地震動予測、リスク

活断層で発生する地震に関して、地震調査研究推進本部では1996年以降、全国で実施した活断層の調査に基づいて長期的な地震発生確率を評価している。また、それらの長期評価を反映した地震動予測地図も公表している。

活断層における地震の発生頻度は非常に低く、活断層調査で得られる知見も量・質ともに限られるため、活断層の長期評価は大きな不確実性を有する。そのため、長期評価や地震動予測地図を地震リスク情報として一般社会に発信する際は、科学的な妥当性・防災行政における情報の理解と活用・情報の受け手である地元住民の受け止め等の多様な視点で、適切な内容や発信方法を検討する必要がある。

活断層や地震に関する専門家の意見は、長期評価や地震動予測の作業過程で反映されている。また、公表結果に関して、一般国民や地方公共団体を対象とする調査も行われている。一方、公表結果について、委員以外を含めた専門家集団としての認知度や評価は明らかになっていない。

そこで本研究では、不確定性を有する地震予測情報の発信方法に関する調査の一環として、まず、活断層や地震の専門家を対象とした調査を行う。日本活断層学会(会員)および日本地震学会(代議員)を対象としたアンケート調査を実施し、活断層や地震動に関して住民に伝えるべき情報や、それらの適切な発信方法について、科学的妥当性をふまえた意見を集約する。

なお、本研究は文部科学省からの受託事業「屏風山—恵那山断層帯及び猿投山断層帯における重点的調査観測」のサブテーマとして実施している。