15:30 〜 15:45
[HGG01-01] スリランカの水害常襲地における災害適応戦略:豪雨洪水災害の対応と復興を事例に
キーワード:スリランカ、豪雨洪水災害、適応戦略
本研究の目的は、スリランカ南西部で発生した豪雨洪水災害に焦点を当て、サバラガムワ州ラトゥナプラ市における洪水被害時の対応および復興の実態と課題を1913年5月の洪水災害のケースと2017年5月のケースを通して明らかにすることである。これらを通して、両年のスリランカの社会経済体制や防災体制の様相を浮かび上がらせ、将来の防災および減災に資するための災害適応戦略を提示することを目指す。
2017年のケースでは現地調査より、宗教施設や地縁・血縁を活用した対応と復興がなされていたこと、一方で1913年のケースでは市の公文書より、当時植民地時代下であり、その背景を受けた施設やアクター、地縁、自然資源を活用した対応と復興であったことが明らかになった。他方、課題として、2017年のケースでは避難のタイミングを図ることが困難であったこと、経済的負担の慢性化、中央と地方官で情報の集約と伝達に問題があったことがわかった。それに対して、1913年のケースでは物的資源が欠乏していたこと、地方官による統制が弱く、流言や略奪により治安が不安定だったことが文献より明らかになった。
これらのことから地域固有の多様なコミュニティや資源を活用すること、地域内での結束を高めることが今後防災政策において必要な災害適応戦略であることが導出されると考えられる。
2017年のケースでは現地調査より、宗教施設や地縁・血縁を活用した対応と復興がなされていたこと、一方で1913年のケースでは市の公文書より、当時植民地時代下であり、その背景を受けた施設やアクター、地縁、自然資源を活用した対応と復興であったことが明らかになった。他方、課題として、2017年のケースでは避難のタイミングを図ることが困難であったこと、経済的負担の慢性化、中央と地方官で情報の集約と伝達に問題があったことがわかった。それに対して、1913年のケースでは物的資源が欠乏していたこと、地方官による統制が弱く、流言や略奪により治安が不安定だったことが文献より明らかになった。
これらのことから地域固有の多様なコミュニティや資源を活用すること、地域内での結束を高めることが今後防災政策において必要な災害適応戦略であることが導出されると考えられる。