12:00 〜 12:15
[HGM03-12] 海食崖の三次元的地形解析法の開発:与那国島の中新統堆積岩を例として
キーワード:ドローン、RTK-UAV、SfM-MVS、フォトグラメトリー、DEM、八重山層群
海食崖は接近・測量が困難なため,地形学的な研究を行なうのが難しい地域である.近年,航空レーザー測量や小型UAVを用いた測量法の発達により,侵食を受けやすい海食崖では地形変化量が測定されているものの,変化速度の小さい岩石からなる海食崖における応用例はほとんどない.本研究では与那国島の中新統堆積岩を例として,接近困難な海食崖にも適用可能な地形解析法を開発し,それによる海食崖の解析を行なった.
測量にはRTK-GNSS搭載UAVの Phantom4 RTK(DJI社)を使用した.カメラを真下に向けて海岸を広域撮影することに加え,崖面に向けつつ手動で操縦・撮影することで崖面の形状を高解像度に捉えた.SfM-MVS処理にはMetashape Professional(Agisoft社)を用いた.また,岩相は接近可能な海岸部における観察を基にモデル上で分類した.急傾斜の崖面は,一般的なDigital Elevation Model(DEM)を用いた解析が適用できないため,本研究では3DCADソフトウェアであるRhinoceros(McNeel社)を用いて三次元的な形状解析に適した地形データを作成した.メッシュモデルと任意の面の交差を計算することで作成した縦断面図は,前傾部を含む崖面帯の複雑な形状を表現した.また,モデルの座標変換により崖を正面から投影した崖面DEMを作成し,崖の細かな形状を可視化・定量化した.
5cm解像度の崖面DEM において,傾斜量と曲率値(Longitudinal Curvature)を計算した結果,崖面形状と岩相の対応関係を定量的に捉えることができた.潮汐堆積物からなる砂泥互層分布域では,岩相によって凹凸の傾向と風化・侵食プロセスが異なるため,海食崖全体の後退過程は岩相を反映すると考えられる.本研究で開発した地形解析法は堆積岩からなる海食崖において有効であると考えられる.
測量にはRTK-GNSS搭載UAVの Phantom4 RTK(DJI社)を使用した.カメラを真下に向けて海岸を広域撮影することに加え,崖面に向けつつ手動で操縦・撮影することで崖面の形状を高解像度に捉えた.SfM-MVS処理にはMetashape Professional(Agisoft社)を用いた.また,岩相は接近可能な海岸部における観察を基にモデル上で分類した.急傾斜の崖面は,一般的なDigital Elevation Model(DEM)を用いた解析が適用できないため,本研究では3DCADソフトウェアであるRhinoceros(McNeel社)を用いて三次元的な形状解析に適した地形データを作成した.メッシュモデルと任意の面の交差を計算することで作成した縦断面図は,前傾部を含む崖面帯の複雑な形状を表現した.また,モデルの座標変換により崖を正面から投影した崖面DEMを作成し,崖の細かな形状を可視化・定量化した.
5cm解像度の崖面DEM において,傾斜量と曲率値(Longitudinal Curvature)を計算した結果,崖面形状と岩相の対応関係を定量的に捉えることができた.潮汐堆積物からなる砂泥互層分布域では,岩相によって凹凸の傾向と風化・侵食プロセスが異なるため,海食崖全体の後退過程は岩相を反映すると考えられる.本研究で開発した地形解析法は堆積岩からなる海食崖において有効であると考えられる.