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[HQR04-01] 東京都区部の沖積層下に埋没している平坦面の分布と分類
キーワード:東京低地、沖積層、埋没平坦面、基底礫層、ボーリングデータ、3次元地質モデリング
東京都区部の東部は大半が東京低地に相当し、厚い沖積層に覆われている。東京低地の沖積層の分布や内部構造については大正関東地震直後から多くの研究例がある。産業技術総合研究所地質調査総合センターでは、主に東京都土木技術・人材育成センターが公開しているボーリングデータに基づき、新たに都市域の地質地盤図「東京都区部」を作成した。これは東京都区部全域を扱った地質地盤図としてはこれまででもっとも詳細なものである。この地質地盤図の成果の一部として沖積層下に分布している埋没平坦面について紹介する。本報告では基底礫層の分布域では基底礫層の下面を沖積層の基底とし、それ以外の埋没平坦面については便宜的に礫層の上面を沖積層の基底と見なした。
東京都区部の沖積層下に分布している埋没平坦面はもっとも深い埋没谷底とその周辺に分布する埋没平坦面1〜4にわけられる。埋没谷底は最終氷期に下刻された谷の軸部に分布し、厚い礫層に覆われ、標高は−50〜−80 m程度である。埋没平坦面1〜4はそれぞれ標高0〜−10 m、−18〜−36 m、−21〜−25 m、−45〜−54 mに分布する。埋没平坦面1と3は明瞭な礫層を伴わないが、埋没平坦面2と4には連続性の良い礫層を伴う。
埋没平坦面1はおおむね完新世の波食台、一部はMIS 5a堆積物の残丘と推定される。埋没段丘面2は本所埋没段丘と呼ばれ、MIS3に形成された河川成段丘面の立川II面に対比されている。埋没平坦面3は成因年代ともに不明、埋没平坦面4はMIS3かそれ以降に形成された河川成段丘と推定される。
埋没平坦面1と2は分布域で標高変化の幅が大きく、形成年代は2回に分けられる可能性もある。今回は2つの面に分けられるほどの明瞭な境界が認められなかったため一括したが、今後埋没平坦面上のロームの有無やローム中のテフラ層序を確認することで区分可能かもしれない。
東京都区部の沖積層下に分布している埋没平坦面はもっとも深い埋没谷底とその周辺に分布する埋没平坦面1〜4にわけられる。埋没谷底は最終氷期に下刻された谷の軸部に分布し、厚い礫層に覆われ、標高は−50〜−80 m程度である。埋没平坦面1〜4はそれぞれ標高0〜−10 m、−18〜−36 m、−21〜−25 m、−45〜−54 mに分布する。埋没平坦面1と3は明瞭な礫層を伴わないが、埋没平坦面2と4には連続性の良い礫層を伴う。
埋没平坦面1はおおむね完新世の波食台、一部はMIS 5a堆積物の残丘と推定される。埋没段丘面2は本所埋没段丘と呼ばれ、MIS3に形成された河川成段丘面の立川II面に対比されている。埋没平坦面3は成因年代ともに不明、埋没平坦面4はMIS3かそれ以降に形成された河川成段丘と推定される。
埋没平坦面1と2は分布域で標高変化の幅が大きく、形成年代は2回に分けられる可能性もある。今回は2つの面に分けられるほどの明瞭な境界が認められなかったため一括したが、今後埋没平坦面上のロームの有無やローム中のテフラ層序を確認することで区分可能かもしれない。