09:30 〜 09:45
[HQR04-03] 常時微動計測を用いた鬼怒川・小貝川低地の堆積環境の推定
キーワード:堆積環境、鬼怒川小貝川低地、常時微動、ボーリングデータ、三坂新田・沖新田
茨城県常総市三坂新田・沖新田地区は,鬼怒川と小貝川という二本の蛇行河川に挟まれた氾濫平野上に位置しており,南北に長い形で集落が形成されている.ここは,洪水被害を受けやすい土地であり,一度洪水が発生すると,排水が滞りやすく,長く湛水してしまう.最近では平成27年関東・東北豪雨の際にも三坂新田・沖新田地区は浸水している.この集落は,惣囲堤に集落全体が囲われていたことがあり,今でもその堤の一部が残されている.そのすぐ前を百閒堀川と呼ばれる人工の水路が開削されている.
このような場所に集落が立地した歴史的理由を検討するうえでの基礎資料として,この地域の堆積環境を推定しようと考えた.ただしこの地域でのボーリングデータ等が無いため,常時微動観測を行うことにした.付近を通る圏央道のボーリングデータがあるので,そこで微動アレイ観測を行ってボーリングデータと常時微動の比較を行い,その結果からボーリングデータのない地点での常時微動観測結果から得られたS波速度構造から地下の地盤構造の推定を行った.また,現地調査やハンドオーガー掘削・粒度分析等も行った.
ボーリングデータとの対比から,地盤に対するおおよそのS波速度範囲を設定した.S波速度100m/s以下が泥地盤,200m/s前後が砂地盤,300m/s以上が礫地盤と推定した.そのデータを用いてボーリングデータの無い地点の地盤状態を推定し,三坂新田・沖新田地区及び周辺地域の地盤状態の推定柱状図を作成した.圏央道の付近では標高-12m~-18mの付近に礫層が存在し,沖積の基底礫層と推定される.この礫層のトップの標高は,三坂新田で-14m,沖新田で-18mと下がってきている.また,-2m~-8mの標高に集落の東側(小貝川寄り)に厚い砂層があり,8m~2mの標高で集落の真ん中に厚い砂層があり,その時代の河道がその周辺を流れていたものと推定した.このように河道が変遷している様子が復元できた.ハンドオーガーの結果では,沖新田南部では表層5m程度まではほとんど砂層が無いという結果であり,深度5mまでは洪水時の破堤堆積物が到達しにくい後背低地的な環境であったと推定される.
このような場所に集落が立地した歴史的理由を検討するうえでの基礎資料として,この地域の堆積環境を推定しようと考えた.ただしこの地域でのボーリングデータ等が無いため,常時微動観測を行うことにした.付近を通る圏央道のボーリングデータがあるので,そこで微動アレイ観測を行ってボーリングデータと常時微動の比較を行い,その結果からボーリングデータのない地点での常時微動観測結果から得られたS波速度構造から地下の地盤構造の推定を行った.また,現地調査やハンドオーガー掘削・粒度分析等も行った.
ボーリングデータとの対比から,地盤に対するおおよそのS波速度範囲を設定した.S波速度100m/s以下が泥地盤,200m/s前後が砂地盤,300m/s以上が礫地盤と推定した.そのデータを用いてボーリングデータの無い地点の地盤状態を推定し,三坂新田・沖新田地区及び周辺地域の地盤状態の推定柱状図を作成した.圏央道の付近では標高-12m~-18mの付近に礫層が存在し,沖積の基底礫層と推定される.この礫層のトップの標高は,三坂新田で-14m,沖新田で-18mと下がってきている.また,-2m~-8mの標高に集落の東側(小貝川寄り)に厚い砂層があり,8m~2mの標高で集落の真ん中に厚い砂層があり,その時代の河道がその周辺を流れていたものと推定した.このように河道が変遷している様子が復元できた.ハンドオーガーの結果では,沖新田南部では表層5m程度まではほとんど砂層が無いという結果であり,深度5mまでは洪水時の破堤堆積物が到達しにくい後背低地的な環境であったと推定される.