日本地球惑星科学連合2021年大会

講演情報

[J] 口頭発表

セッション記号 H (地球人間圏科学) » H-TT 計測技術・研究手法

[H-TT17] 浅部物理探査が目指す新しい展開

2021年6月3日(木) 10:45 〜 12:15 Ch.15 (Zoom会場15)

コンビーナ:尾西 恭亮(国立研究開発法人土木研究所)、青池 邦夫(応用地質株式会社)、横田 俊之(国立研究開発法人 産業技術総合研究所)、高橋 亨(公益財団法人深田地質研究所)、座長:尾西 恭亮(国立研究開発法人土木研究所)、横田 俊之(国立研究開発法人 産業技術総合研究所)

10:50 〜 11:10

[HTT17-08] 平板型電極を用いた牽引式電気探査

*小西 千里1、木佐貫 寛1、Wilkison Dennis (1.応用地質株式会社)

キーワード:牽引式電気探査、比抵抗、平板型電極

ケーブル型のキャパシタ電極を用いた牽引式電気探査では,ケーブル長の制限から送信機と受信機をあまり近くできず,そのために深度2m以浅の感度が低下するという問題が指摘されていた。その問題を解決するため,ケーブル型の電極の約1/8の長さのシリンダー電極が開発された(小西ほか,2018)。しかし,送信機と受信機の距離を短くすると,空中に放射される電磁波が要因と考えられる送受信機の電極間カップリングが発生することが新たな課題であった。その課題を解決する方法のひとつとして,新たにシリンダー電極と同じ長さで電極が地面の方向だけを向いた平板型の電極を製作し野外実験を行った。その結果,平板型電極を用いることで空中に放射される電磁波が少なくなり,送受信機の電極間カップリングを低減できることがわかった。また,通常の電極棒を用いた電気探査結果と比較したところ,平板型電極の中点に電極を設置した場合の見掛け比抵抗とほぼ同じ見掛け比抵抗が得られることがわかった。この平板型電極と従来のケーブル型電極を用いた牽引式電気探査により,地表から深度10m程度までの比抵抗構造を効率よく把握することが可能となった。