日本地球惑星科学連合2021年大会

講演情報

[J] 口頭発表

セッション記号 H (地球人間圏科学) » H-TT 計測技術・研究手法

[H-TT19] 地理情報システムと地図・空間表現

2021年6月6日(日) 09:00 〜 10:30 Ch.14 (Zoom会場14)

コンビーナ:小荒井 衛(茨城大学理学部理学科地球環境科学コース)、田中 一成(大阪工業大学工学部都市デザイン工学科)、中村 和彦(東京大学)、座長:小荒井 衛(茨城大学理学部理学科地球環境科学コース)、田中 一成(大阪工業大学工学部都市デザイン工学科)

09:15 〜 09:30

[HTT19-02] WebGIS を使った PM2.5 の推定濃度分布の地図表現

*山川 純次1 (1.岡山大学大学院自然科学研究科)

キーワード:WebGIS、jSTAT MAP、Kriging、PM2.5、Google Colab

地球統計学的手法で推定された PM2.5 濃度分布の検討において区間推定 (Interval estimation) は重要な情報である。特に推定濃度を他の地理情報や国政調査などの統計情報と比較する場合において,影響の確度を検討するためには必須となる。今回,地球統計学の手法の一つである Kriging 法で得られた岡山市における PM2.5 の推定濃度分布とその信頼区間を WebGIS 使って表現する手法を検討した。
今回対象とした地域は岡山県岡山市全域で,推定は PM2.5 の観測データは国立環境研究所により公開されている 2017 年度のデータ (月間値) に基づいて行なった (http://www.nies.go.jp/igreen/) 。解析に必要となる地理情報データは政府系オープン データである JPGIS (国土地理院, 2020) を使用した。地球統計解析には GNU R (R core team, 2020) および Google Colab (Google, 2020) を使用した。WebGIS は jSTAT MAP (総務省統計局, 2020) を使用した。
PM2.5 の観測データにおける空間依存性はバリオグラムを使って推定し,Kriging 法により岡山市全域の PM2.5 推定濃度分布とその分散を得た。推定に使用したメッシュグリッドは 3次メッシュコードを使用した。そして得られた推定濃度分布とその信頼区間を jSTAT MAP を使って地図表現した。また国勢調査データと併せて検討した暴露リスクについても jSTAT MAP で表現した。
jSTAT MAP は各種の地理情報や統計情報を予め備えているため PM2.5 の推定濃度およびその信頼区間や暴露リスクとの定性的な比較検討が容易に実行できた。また jSTAT MAP は WebApp であるため PM2.5 暴露リスク評価データの地図表現に GIS アプリケーションが不要である。地図表現された情報開示手段の一つとして利用が進むことが期待される。