日本地球惑星科学連合2021年大会

講演情報

[J] 口頭発表

セッション記号 H (地球人間圏科学) » H-TT 計測技術・研究手法

[H-TT19] 地理情報システムと地図・空間表現

2021年6月6日(日) 10:45 〜 12:15 Ch.14 (Zoom会場14)

コンビーナ:小荒井 衛(茨城大学理学部理学科地球環境科学コース)、田中 一成(大阪工業大学工学部都市デザイン工学科)、中村 和彦(東京大学)、座長:小荒井 衛(茨城大学理学部理学科地球環境科学コース)、中村 和彦(東京大学)

11:00 〜 11:15

[HTT19-08] 認知マップの歪みと色彩に着目した子どもたちの空間認知

*長谷川 亜美1、田中 一成1 (1.大阪工業大学)


キーワード:認知マップ、歪み、色彩、イメージ

道路・鉄道空間の整備による交通手段の発達にともない、我々の生活は著しく発展してきた。その半面、交通空間は子どもたちの外での遊び場を奪い、子どもたちに身体的・精神的にマイナスの影響を与えている可能性がある。このような公共空間における問題を解決するには大人と子どもたちが魅力的だと感じる物・場所の違いを明確化することで、大人と子ども共に魅力的だと感じる都市空間デザインを提案すべきではないかと考える。また、大人が意図して造ったものは、子どもたちにもその意図が伝わっているのかを明らかにしていくことがこれからのまちづくりにおいて重要だと考える。

大人が快適で住みやすく、また景観が良いと感じる街づくりをしている中で、子どもにとって魅力のある遊び場や、住みやすく、またずっと住みつづけたいと思う街をつくりだしていくことはこれからの街づくりをおこなう上での課題であり、それらを創出するためには、子どもが魅力を感じる街のイメージを理解する必要がある。子どもが魅力を感じる遊び場や街の姿を把握するためには、子どもが普段生活する空間をどのように認知しているのかを知ることが重要である。

本研究では子どもの認知地図の特性から子どもの街における魅力を感じる部分を分析し、多くの子どもたちに魅力的で住みやすく、さらに住みつづけたいと感じる、面白く楽しく、あるいは快適で安全な都市空間デザインの提案を目標とする。

研究方法としては、基本的描画法による調査を行い、要素の抽出と描かれた実際の空間と認知空間のゆがみの差や色彩等を調べ普段何を見ているのか、認知空間の広さや意識の向きやすい場所を探る。
基本的描画法の結果より、子どもは見たものを素直に記憶しており交通ルールなど大人が経験的にいい加減に見てしまっている物でもしっかりと記憶し印象に残っていることが分かった。