日本地球惑星科学連合2021年大会

講演情報

[J] 口頭発表

セッション記号 H (地球人間圏科学) » H-TT 計測技術・研究手法

[H-TT19] 地理情報システムと地図・空間表現

2021年6月6日(日) 10:45 〜 12:15 Ch.14 (Zoom会場14)

コンビーナ:小荒井 衛(茨城大学理学部理学科地球環境科学コース)、田中 一成(大阪工業大学工学部都市デザイン工学科)、中村 和彦(東京大学)、座長:小荒井 衛(茨城大学理学部理学科地球環境科学コース)、中村 和彦(東京大学)

11:30 〜 11:45

[HTT19-10] コロナ禍におけるアフォーダンスの意味とパーソナルスペースの変化

*三宅 一生1、田中 翔大1、田中 一成1 (1.大阪工業大学)

キーワード:パーソナルスペース、アフォーダンス、マスク

椅子は座ることをアフォードし、鉛筆は書くことをアフォードする。大学の講義や電車内の座る席、エレベーターで立つ位置など、人間は環境から情報を得て行動を変化させる。2020年は新型コロナウイルスの影響で、在宅勤務やオンライン授業、デリバリーサービスが普及し人々の生活にも変化があった年である。また、ショッピングモールの入り口の制限や消毒や検温をしないと入店できない店、ベンチや椅子の利用制限など人々への物理的な制限ができた。しかし、それ以外にも人々の行動に制限できたように感じる。それは他人との距離感(パーソナルスペース)などの心理的な行動制限ではないかと考える。本研究では周辺の環境が人々の行動選択にどのような影響をあたえ、どのように変化するかを調査するかを目的とし、新型コロナウイルス流行前後の人々の行動選択を比較し、コロナ禍でのアフォーダンス、パーソナルスペースの変化を探る。

まず、コロナ禍における人々の見えない行動制限、アフォーダンスの変化を調べるにあたり、電車内の座席選択をマスクの有無を用いたアンケートにより調査し、その結果人々の行動選択に変化があることがわかった。次に駅のホーム内での待機位置においてマスクの有無により並んでいる位置の距離感にどれくらいの差が出るか調査を行った。マスクを着用していない人の後ろに立つ人の位置とマスクの着用している人の後ろに立つ人の位置に大きな差がない結果となった。要因として、マスクの有無を認識していないことが考えられる。最後に新型コロナウイルス流行後なパーソナルスペースの調査を、マスクの有無を用いて行った。マスクの有無によってパーソナルスペースに大きな差は出なかったが、パーソナルスペースが社会距離に該当する値となり、コロナ禍になり人々の個体距離が社会距離にまで変化したと言える。