17:15 〜 18:30
[MGI33-P01] メルト主要元素組成を用いたマントル部分溶融度計算モデルの構築
キーワード:マントル、溶融、データ駆動
マントル部分溶融度は、マントルでの溶融場の状態を知るため、そしてメルト組成からマントルの化学構造を知るためのインバージョンにも重要である。3~4の主要鉱物から構成されるかんらん岩は熱力学的自由度が低い。そのため、メルト量およびメルト組成は相律に支配される。一般的に、部分溶融度はバルク組成及び圧力固定の状態で温度の関数として計算されるが、レルゾライトの溶融で複数層が共存する状態では、溶融度とメルト組成には温度やバルク組成を介在しない対応関係が生まれることが予想される。本研究ではこの特徴に着目してメルト組成に基づいた部分溶融度計を構築した。
入力データとするために、上部マントル条件でのかんらん岩溶融実験のコンパイルを行った。これらの実験は多成分多相系のみからなり、含水及び無水実験を含む。教師データとするために、バルク組成固定で溶融度が報告されている実験のみを用いている。Ueki et al. (2018; 2020)で用いたデータ駆動の手法を用いて、メルト化学組成を入力として部分溶融度を出力とする回帰を行った。この手法では、予測性を基準として重要な元素のみを抽出することで、過学習を避けることが出来る。その結果、温度や圧力の情報を用いずにメルト組成だけから溶融度を表現する予測性の高いモデルを構築することが出来た。天然の火山岩組成にこのモデルを適用することで、溶融場の物理化学情報を得ることが可能となる。
入力データとするために、上部マントル条件でのかんらん岩溶融実験のコンパイルを行った。これらの実験は多成分多相系のみからなり、含水及び無水実験を含む。教師データとするために、バルク組成固定で溶融度が報告されている実験のみを用いている。Ueki et al. (2018; 2020)で用いたデータ駆動の手法を用いて、メルト化学組成を入力として部分溶融度を出力とする回帰を行った。この手法では、予測性を基準として重要な元素のみを抽出することで、過学習を避けることが出来る。その結果、温度や圧力の情報を用いずにメルト組成だけから溶融度を表現する予測性の高いモデルを構築することが出来た。天然の火山岩組成にこのモデルを適用することで、溶融場の物理化学情報を得ることが可能となる。