11:20 〜 11:35
[MGI34-09] 大容量宇宙データ処理の実践・応用そして可能性
キーワード:月・惑星探査、データ処理、地球観測、地理情報システム、アウトリーチ
著者は長年にわたり、月・惑星探査により得られた科学データ、特に画像データの統合化された可視化を研究してきた。その手法は、ウェブGIS上に画像データをベースとした地図を構築し、その上に可視化された科学データを重ねるものである。この手法によって、月探査により得られたデータをウェブブラウザ内の画面に重ね合わせることができるシステムを構築した。このシステムはWISE-CAPS (Web-based Integrated Secure Environment for Collaborative Analysis of Planetary Science)と名付けられ、プロトタイプ段階までの開発を行ってきた。このようなシステムは、異なるタイプの科学データを直感的に比較できるため、科学者が新たな知見を発見しやすくなるという特徴がある。
近年1つの探査で得られる科学データの量は加速度的に増大している。さらに、探査が増えるにつれ、過去の探査データの蓄積量も増大している。このため、科学者がみなければならないデータ量は増加の一途をたどっており、直感的で理解しやすいデータ表示、データ処理システムが求められている。
また、このようなシステムは科学者だけでなく、一般の人々の利用も可能である。最近は市民が直接科学的な分析に参加する「市民科学」の流れも強まっている。また、科学的な成果を一般の人たちにより広く伝える広報・アウトリーチ活動の重要性は論を待たない。科学者に有用なシステムは、一般の人々にもその有効性を発揮する。
本講演では、著者が長年取り組んできた月・惑星データ処理システムに加え、現在進めている温室効果ガス・水循環観測技術衛星GOSAT-GWの地上データ処理システム、及び静止気象衛星ひまわりのデータを利用したゲームなどについて述べ、大容量宇宙データ処理が持つべき本質について論じる。合わせて、将来的な大容量宇宙データ処理システムのあるべき姿について議論する。
近年1つの探査で得られる科学データの量は加速度的に増大している。さらに、探査が増えるにつれ、過去の探査データの蓄積量も増大している。このため、科学者がみなければならないデータ量は増加の一途をたどっており、直感的で理解しやすいデータ表示、データ処理システムが求められている。
また、このようなシステムは科学者だけでなく、一般の人々の利用も可能である。最近は市民が直接科学的な分析に参加する「市民科学」の流れも強まっている。また、科学的な成果を一般の人たちにより広く伝える広報・アウトリーチ活動の重要性は論を待たない。科学者に有用なシステムは、一般の人々にもその有効性を発揮する。
本講演では、著者が長年取り組んできた月・惑星データ処理システムに加え、現在進めている温室効果ガス・水循環観測技術衛星GOSAT-GWの地上データ処理システム、及び静止気象衛星ひまわりのデータを利用したゲームなどについて述べ、大容量宇宙データ処理が持つべき本質について論じる。合わせて、将来的な大容量宇宙データ処理システムのあるべき姿について議論する。