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[MGI34-P01] バイナリベクトルタイル化された歴史的境界データを活用した自治体防災WebGISの試み
情報通信研究機構と情報学研究所では、2018年度~2019年度にかけて「国土数値情報 行政区域データ(2015年1月1日)」および「国勢調査町丁・字等別境界データ(2015年)」をバイナリベクトルタイル化した。さらにこれらを接続することで、2015年の市区町村境界と町丁目境界をスケーラブルに一つのWebGISアプリで表示することに成功した。これにより、MapboxGLやLeafletといったバイナリベクトルタイル画像レンダリングに最適化されたWebGIS上で、これまでのGeoJSONデータやTopoJSONデータによるレンダリングを高速化することに成功した。さらに情報通信研究機構と情報学研究所は、上記のTopoJSONからバイナリベクトルタイルへの変換手法をこれまでに情報学研究所が構築した示す歴史的行政区域データセット(http://geoshape.ex.nii.ac.jp/city/choropleth/)で公開している全27期間(1920-01-01~2015-01-01)に適用することで、全期間の市区町村境界データのバイナリベクトル化に成功した。本研究では、この歴史的行政区域データセットを新聞記事データセットに連動させることで、自治体防災WebGISを構築する。具体的には、長野県千曲市を対象として、過去に発生した各種自然災害に関する位置情報を時代ごとに可視化する。レンダリングの高速化が可能なバイナリベクタタイルにより、新聞記事から抽出された過去の自然災害発生位置を現在地図上に可視化できる。本データベースおよびWebアプリケーションは、アカデミアまたは民間企業を問わず、様々な利用機関に研究開発を目的として公開(提供)される。