日本地球惑星科学連合2021年大会

講演情報

[J] ポスター発表

セッション記号 M (領域外・複数領域) » M-GI 地球科学一般・情報地球科学

[M-GI34] 情報地球惑星科学と大量データ処理情報

2021年6月3日(木) 17:15 〜 18:30 Ch.18

コンビーナ:村田 健史(情報通信研究機構)、野々垣 進(国立研究開発法人 産業技術総合研究所 地質調査総合センター)、本田 理恵(高知大学自然科学系理工学部門)、深沢 圭一郎(京都大学学術情報メディアセンター)

17:15 〜 18:30

[MGI34-P09] 敵対的生成ネットワークGANによる小天体画像の超解像と多色画像の推定

岸 倫太郎1、橋本 廉1、*本田 理恵1、棚瀬 旺和1、横田 康弘2、杉田 精司3、諸田 智克3、亀田 真吾4、坂谷 直哉4、巽 瑛里5、長 勇一郎3、神山 徹6、山田 学7、早川 雅彦2、鈴木 英彦8、吉岡 和夫3、本田 親寿9、小川 和律2、澤田 弘崇2 (1.高知大学、2.宇宙科学研究所、3.東京大学、4.立教大学、5.カナリー天文台、6.産総研、7.千葉工業大学、8.明治大学、9.会津大学)

キーワード:敵対的生成ネットワーク、小天体探査、超解像、多色化

惑星探査における着陸地点の選択には画像の解像度を高める超解像が大きな役割を果たす.従来,画像劣化関数を用いて復元を行う手法や,複数画像から位置ズレを用いて画像を再構成する解析的な手法が検討されてきたが,最近では深層学習を利用した手法も提案されている.本研究では敵対的ネットワーク GAN に基づく SRGAN を検討し,この手法を探査機はやぶさ2が取得した小惑星リュウグウの画像に適用してその効果を確認した.その結果、適切に画像を選んでデータ拡張も含めて1000枚程度の画像数を学習をすれば生成画像の解像度の改善が得られることを確認した。また一旦学習が終了した後の認識時間は、一般的なNVIDIAのGPUを搭載した計算機で1024x1024pixelの画像1枚あたり1.12secであり、従来手法に比べて非常に高速に超解像画像が得られることを確認した。
また小惑星探査においては、複数の波長で撮像された多色(マルチバンド)画像がよく利用される.多色画像は,対象物の反射スペクトルの情報を含んでいるため,物質の判定に有用であるが,特殊な撮像条件では単色画像しか得られないケースも存在する.ここでもGAN に基づく手法pix2pix を用いて,単色画像からの多色画像の推定を目的としてま単色画像からの疑似カラー画像の作成を検討した.また実際に小惑星リュウグウの画像に適用し,その有効性を確認した。