日本地球惑星科学連合2021年大会

講演情報

[E] ポスター発表

セッション記号 M (領域外・複数領域) » M-IS ジョイント

[M-IS05] 南大洋・南極氷床が駆動する全球気候変動

2021年6月6日(日) 17:15 〜 18:30 Ch.20

コンビーナ:関 宰(北海道大学低温科学研究所)、野木 義史(国立極地研究所)、岡 顕(東京大学大気海洋研究所)、菅沼 悠介(国立極地研究所)

17:15 〜 18:30

[MIS05-P08] DDInSAR解析によるラングホブデ氷河における潮汐変動による棚氷の鉛直変動範囲

*奈良間 千之1、山之口 勤2、杉山 慎3 (1.新潟大学理学部フィールド科学人材育成プログラム、2.リモートセンシング技術センター、3.北海道大学低温科学研究所)

キーワード:棚氷、潮汐変動、二重差分干渉SAR、接地線

氷床から海洋に流れ出る溢流氷河において,氷河底部の陸地と海洋の境界線は「接地線」と呼ばれ,その境界より下流の海洋に位置する部分は「棚氷」と呼ばれる.「棚氷」は海洋に位置するため,海洋の潮汐の影響で鉛直方向に上下動する.氷河末端である接地線の位置を調べるため,二時期のマイクロ波衛星データを干渉させ,潮汐変動で生じるマイクロ波の位相差を変動量で示す差分干渉SAR解析が用いられてきた.しかし,潮汐変動に応じて棚氷の鉛直変動がおよぶ領域は異なるため,使用するペアによって鉛直変化が生じる位置が変化してしまうという問題がある.本研究では,東南極のラングホブデ氷河において,多時期のALOS-2/PALSAR-2のマイクロ波データで差分干渉SAR解析による2組の画像データを作成し,その差分から水平成分を除去する「二重差分干渉SAR解析(DDInSAR)」を用いて,潮汐変動により生じる「棚氷」の鉛直変動の領域について調べた.