日本地球惑星科学連合2021年大会

講演情報

[J] ポスター発表

セッション記号 M (領域外・複数領域) » M-IS ジョイント

[M-IS13] 火山噴煙・積乱雲のモデリングと観測

2021年6月6日(日) 17:15 〜 18:30 Ch.19

コンビーナ:佐藤 英一(気象研究所)、前野 深(東京大学地震研究所)、前坂 剛(防災科学技術研究所)

17:15 〜 18:30

[MIS13-P03] X-バンド固体化船舶用レーダの噴煙観測への応用

*西 隆昭1、真木 雅之1、小堀 壮彦1、遠藤 寛治2、海賀 和彦2、井口 正人3 (1.鹿児島大学、2.株式会社光電製作所、3.京都大学)

キーワード:Xバンド固体化レーダ、噴煙、PPI、RHI

鹿児島大学は火山観測用Kuバンドレーダで桜島や霧島の火山観測を実施してきたが,船舶用レーダでも桜島観測で噴煙を観測した.一方で,船舶用レーダは送信信号をマグネトロンで生成することが多いが,一定の期間で交換する必要があった.今回は送信デバイスを固体化したXバンドの船舶用固体化レーダ(SSR: solid state marine radar)を光電製作所から借用し火山の噴煙観測に応用する測定実験を実施した.SSRはスロットアンテナを用いた空中線部と操作指示をするパーソナルコンピュータ(PC)で構成され,空中線部とPCはEthernetケーブルで接続される(図1).SSRは鹿児島大学下荒田キャンパスの屋上に設置され,桜島南岳に向けて噴煙をPPI(plane position indicator)とRHI(range height indicator)で観測した.船舶用レーダは噴火口から4 kmでは観測実績があったが,下荒田キャンパスと桜島は約10 kmであったので,雨滴より粒径の小さい噴煙がレーダに映るか不明であったが,高さが1400 m以上の噴煙がSSRの映像としてとらえられた(図2,図3).2020年11月17日の噴煙RHI観測では高度記録がない(図4).
 固体化船舶用レーダの空中線部は29~33 kgと空中線部だけで500 kgのKuレーダより軽いので,機動的観測に向いている.12月8日2020年に鹿児島大学水産学部の舟艇にSSRを装備して,起動観測の可能性を見出した.