日本地球惑星科学連合2021年大会

講演情報

[J] 口頭発表

セッション記号 M (領域外・複数領域) » M-IS ジョイント

[M-IS16] 古気候・古海洋変動

2021年6月5日(土) 09:00 〜 10:30 Ch.26 (Zoom会場26)

コンビーナ:岡崎 裕典(九州大学大学院理学研究院地球惑星科学部門)、長谷川 精(高知大学理工学部)、山崎 敦子(九州大学大学院理学研究院)、山本 彬友(国立研究開発法人 海洋研究開発機構)、座長:山本 彬友(国立研究開発法人 海洋研究開発機構)

09:30 〜 09:45

[MIS16-13] 完新世の東京湾波浪環境の変化に対する海水準ならびに陸地形の影響

*上原 克人1 (1.九州大学)

キーワード:古波浪復元、数値モデル、完新世、内湾

今日の東京湾には湾内のみならず沿岸の陸域においても海食崖や波蝕台、沿岸砂州など地質年代の波浪営力が関与して形成されたとみられる地形が散在し、より詳細な地形発達を調べる上で過去の波浪環境に関する情報が不可欠である。そこで本研究では、対比可能な地質情報が比較的揃っている完新世を対象に数値シミュレーションによる東京湾古波浪復元を試みた。計算は波浪モデルSWANと10kaから4kaにかけて1000年ごとの古地形モデルを組み合わせることにより行っている。海進最盛期にあたる7kaの地形設定のもと、風向・風速を一定として行った予備実験からは、吹走距離の増大に伴って有義波高が現世より1~2割高くなり、その変化の度合いが特に湾の東側で顕著であったとの結果が得られた。講演時には波浪の駆動源である海上風の推定に領域気象モデルWRFを導入し、風速場が海陸分布や海面上の陸地形の違いによって変わる効果も反映させた実験結果を示す予定である。