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[MIS18-P07] ベンガル湾西縁の深海堆積物に含まれる新期トバ火山灰の地球化学的特徴
キーワード:トバ火山灰、ベンガル湾、LA-ICP-MS、放射性起源同位体 (Sr, Nd, Pb)
地球深部探査船「ちきゅう」NGHP-02次航海では,インド洋ベンガル湾西部のKrishna-Godavari海盆で掘削が行われ,複数のサイトで半遠洋性堆積物が回収された.このうち2サイト(NGHP-02-19B, NGHP-02-22B)では,後期更新統半遠洋性堆積物中に約6 cm 厚の珪長質火山灰層が認められた.本研究では,この火山灰層のガラス片について主要元素と微量元素分析を行った.また,全岩の微量元素組成とストロンチウム,ネオジム,鉛の放射性起源同位体組成を分析した.いずれの組成も,約7.4万年前のスマトラ島トバカルデラの噴火による火山灰層(新期トバ火山灰, Youngest Toba Tuff)の組成と一致していたため,この火山灰層は新期トバ火山灰と認定された.また,火山灰層の上下位の半遠洋性堆積物から産する浮遊性有孔虫の酸素同位体組成から,火山灰層の年代について詳細な検討を行った.本研究での新期トバ火山灰層の発見は,インド洋における新期トバ火山灰の広がりに重要な1ピースをはめることになる.