日本地球惑星科学連合2021年大会

講演情報

[J] ポスター発表

セッション記号 M (領域外・複数領域) » M-IS ジョイント

[M-IS18] 地球掘削科学

2021年6月4日(金) 17:15 〜 18:30 Ch.21

コンビーナ:黒田 潤一郎(東京大学大気海洋研究所 海洋底科学部門)、道林 克禎(名古屋大学 大学院環境学研究科 地球環境科学専攻 地質・地球生物学講座 岩石鉱物学研究室)、藤原 治(国立研究開発法人産業技術総合研究所 地質調査総合センター)、氏家 恒太郎(筑波大学生命環境系)

17:15 〜 18:30

[MIS18-P11] マントル掘削ワーキンググループ(J-DESC)の活動紹介

*肖 楠1、海野 進2、マントル掘削 ワーキンググループ (1.国立研究開発機構海洋研究開発機構、2.金沢大学)

マントル掘削は日本と世界の科学掘削コミュニティの長期的な期待である。現在のIODP科学プランの中で、「地球の上部マントルの組成、構造、そしてダイナミックスとは何か」を明らかにするため、海洋科学掘削におけるマントル掘削の必要性が述べられている。また、2024年度以降の国際深海科学掘削計画における方向性をまとめた2050 Science Frameworkにおいても、2050年までに海洋科学掘削のコミュニティが実現すべき項目の一つとして、「Probing the Deep Earth(深部地球の探求)」があり、人類による海洋地殻の貫通とマントル掘削の実現、そしてマントル掘削によって地球システムを統合的に理解する重要性が示されている。マントル掘削の実現によって科学成果を達成するためには、それを可能とする唯一の科学掘削プラットフォームである地球深部探査船「ちきゅう」を保有する日本のイニシアティブが強く期待されている。これまでに、代表的な海洋地殻の貫通とマントルへの到達に関する科学プロポーザルとして、「Project M2M: Mohole to Mantle」およびその掘削候補地点の一つであるハワイ北東沖を対象とした「Drilling Mature Oceanic Crust on North Arch off Hawaii (951-Full)」が国際科学者コミュニティによって提出された。今後、人類史上初となるマントル掘削を実現するためには、これらの科学掘削プロポーザルを基にした計画の更なる具体化と国際科学者コミュニティとの連携強化、そして実施主体となる海洋研究開発機構における技術的検討やプロジェクト・マネジメントとの連携が不可欠である。
上記の状況を踏まえ、2020年9月、マントル掘削の実施に向けた具体的な活動を行うための体制を整えると共に、研究者や技術者の相互理解と連携を促進することを目的として、J-DESCのIODP部会の下に、マントル掘削ワーキンググループが設置された。本発表では、ワーキンググループ主催のオンラインオープンセミナーなどの活動内容を紹介する。