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[MIS25-05] 雷雲ガンマ線のマッピング観測を狙うシチズンサイエンス「雷雲プロジェクト」の進捗
キーワード:高エネルギー大気物理学、雷雲ガンマ線、シチズンサイエンス
雷雲の電場で加速された電子からの制動放射光や、Terrestrial Gamma-ray Flash (TGF) が大気中で引き起こす光核反応で生じる放射線が、日本の冬季雷雲の活動時に観測されている。我々は 2006年から Gamma-ray Observation of Winter Thunderclouds (GROWTH) コラボレーションとして、雷雲や雷の放射線測定を続けてきた。発生するガンマ線は大気中で数百メートルほどしか到達できないため、多地点のマッピング観測が重要になる。気象観測との比較を行い、雷雲内の相対論的な電子流が雷放電のトリガーに関与するかを検証する上では、広域のマッピング観測が必要となる。そこで我々は、市民サポーターに放射線測定器を配布し、シチズンサイエンスの手法を取り込んだ観測網を金沢市街地に整備している。測定器はコガモ(Compact Gamma-ray Monitor)と名付けられ、ボタン一つで動作し、自動でネットワーク越しにデータを送付し、ガンマ線を発生する雲を市民サポーターに撮影してもらうことも狙う。2020年度は、14台ほどのコガモを配布し、2021年度に向けてさらに25台の製作を進めた。本研究の進捗を報告する。