日本地球惑星科学連合2021年大会

講演情報

[J] ポスター発表

セッション記号 M (領域外・複数領域) » M-IS ジョイント

[M-IS26] ガスハイドレートと地球環境・資源科学

2021年6月6日(日) 17:15 〜 18:30 Ch.21

コンビーナ:戸丸 仁(千葉大学理学部地球科学科)、八久保 晶弘(北見工業大学)、谷 篤史(神戸大学 大学院人間発達環境学研究科 人間環境学専攻)、後藤 秀作(産業技術総合研究所地圏資源環境研究部門)

17:15 〜 18:30

[MIS26-P10] Experimental study of CO2 hydrate phase equilibrium in sediments

*岩本 樹季1、戸丸 仁1 (1.千葉大学)

ガスハイドレートは、海底の下でガス(メタン)濃度が平衡条件下でその溶解度を超えた際に形成される。しかし、その平衡状態は、水、ガス、堆積物の組成などの周囲の環境を反映して容易に変化する。本研究では、ガスハイドレートの安定性に対する堆積物粒子の物理的/化学的影響を調べるため、天然堆積物を含む二酸化炭素を使用して相平衡条件を実験的に検討した。10 wt%の堆積物を含むCO₂ハイドレートの相平衡条件は、純水時と比較して低温(高圧)領域に変化した。これは、カオリナイトなどの粘土鉱物が水分子を表面へ吸収し、ハイドレート格子に似た構造を形成し、水和物の形成を妨げたためと考えられる。さらに、堆積物からのイオン溶解により、水和物の凝固点が低下する可能性があり、これもガスハイドレートの安定性を低下させる。これらの結果から堆積物の特性及びガスと水の化学的性質は、天然環境におけるガスハイドレートの分布と量を評価するための重要な要素であることが示唆された。